約 528,504 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/251.html
ゆっくりるーみあ 「なのかー」 夕闇の空のなかゆっくりるーみあが空を飛んでいた。 美しい金髪、紅く燃える瞳、ゆっくり種の中でも段違いに白く美しい肌。 ゆっくりるーみあは肉食種であるが、基本的にのんびりとしていて実にゆっくりらしい性格である。 「わはー」 笑顔ではねるゆっくりるーみあ。 宵闇ゆっくりとも言われるゆっくりるーみあにとって夕闇の時間帯は一番心躍る時間帯であるのだ。 これから来る楽しくて心地の良い夜。 西の空を眺めながら完全な日没を心待ちにしている。 地面にうつるゆっくりるーみあの影が徐々に長くなっていく。 辺りは暗さを増し、徐々に徐々にと闇が支配していった。 今夜は雲一つ無い美しい夜である。 月の蒼い光に美しい肌と金髪が生える。 さほどお腹が空いていなかったため原っぱでゆっくりと月光浴をすることにしたゆっくりるーみあ。 「きょうは満月なのかー」 紅い瞳が楽しそうに気持ち良さそうに笑う。 ゆっくりるーみあにとってここまで心地の良い夜も久しぶりだった。 ゆっくりるーみあが時を忘れ月光浴を楽しんでいると、月に黒いシルエットが横切る。 一つ、二つ、三つ、四つ。 「とりなのかー」 ゆっくりるーみあは小型の鳥も食べる。 もし捕食できるサイズだったら晩飯でもいいなと思いながらゆっくりと眺めていると、 影がこちらへと近づいてきた。 宵闇ゆっくりであるゆっくりるーみあは夜目が利く。 長く伸びた牙、奇妙な形の翼。 近づいてくるそれらがゆっくりフランであることに気づく。 「危険なのかー」 ゆっくりるーみあも肉食種であるが、同じ肉食種の、れみりゃ、フランに比べると段違いにゆっくりるーみあは弱い。 下手をすればゆっくり霊夢の群れに負ける程である。 慌てて逃げ始めるゆっくりるーみあ。 相手は肉食種最強の四匹のゆっくりフランである。 当然るーみあに勝ち目は無い。 飛び出すものの、その速度は実にゆっくりで、高スピード、高攻撃力が売りのアサルトゆっくりの異名をもつゆっくりフランから逃げ切れるはずは無い。 「ゆっくりしね!!」 上の方から叩きつけられ、錐揉み回転しながら落ちていくゆっくりるーみあ。 「やーーー、なっ!!」 鈍い音をだして叩きつけられるゆっくりるーみあ。 他のゆっくりよりも頑丈なため一命は取り留めるもののダメージは大きい。 「もうだめなのかー」 ゆっくりるーみあはもう諦めていた。 この四匹のゆっくりフラン達に食い裂かれるのだ。 ゆっくりフラン達が近づいてくる。 「うー、うー」 それぞれ楽しそうに声を上げるゆっくりフラン。 「いだぁあ!!」 ゆっくりフランがゆっくりるーみあの背中に噛み付き引きずっていく。 「うー、うー」 刺すような痛みの中捕食される恐怖に震えるるーみあ。 四匹のゆっくりフランがゆっくりるーみあを取り囲む。 ゆっくりるーみあにとっては本当に恐怖である。 「うー、うー」 首狩族のようにゆっくりるーみあの周りで声を上げながら反応を楽しむゆっくりフラン。 ゆっくりフラン、その性格が残虐と言われるのは、獲物を捕食前に甚振るのが所以である。 嗜虐心を煽るゆっくりるーみあのその様子はゆっくりフランにとって何よりのご馳走だった。 突然、ゆっくりるーみあの体に衝撃が走る。 「飛ばされるのかー」 そのまま地面に落ちころころと転がる。 「うー」 ゆっくりフランが転がってきたゆっくりるーみあに体当たりを加える。 「また飛ばされるのかー」 再び宙に舞うゆっくりるーみあ。 蹴鞠のように弄ばれるゆっくりるーみあ。 「うー、うー」 「ゆっくり死ね、ゆっくり死ね」 歓喜の声をあげるゆっくりフランとは対照に擦り傷を増やし、声をか細くしていくるーみあ。 「やめてー」 もういっその事一思いに食べて欲しかった。 残酷なゆっくりフランの仕打ちに心身ともに甚振られていく。 残酷な蹴鞠はしばらく続き、もうゆっくりるーみあは傷だらけで偶に声をあげる程になっていた。 これで仕上げとばかりに大木に向かって一匹のゆっくりフランが大木に当たるよう目一杯体当たりをする。 「ゆっくりしね!!」 渾身の体当たりを受け飛んでいくゆっくりるーみあ。 薄れ行く景色のしかしの中で迫ってくる大木が見えた。 「も、もうだめなのかー」 その様子を楽しげに見守るゆっくりフランたち。 そのとき、突然突風が吹いた。 ゆっくりるーみあは突風にその進路を変えられ、木の枝に一度引っかかったあと墜落した。 仕損じた。 その様子を見て、落下地点へと駆け寄るフランたち。 どうやら茂みに落ちたらしいが、直ぐに場所の見当が付いた。 ゆっくりるーみあがつけていたと思われる真っ赤なリボンが茂みに引っかかっていたからである。 「うー、うー」 それを見つけ仲間達を呼び寄せる。 もう、逃げる体力はあるまい、そう踏んで余裕たっぷりに茂みに集まる四匹のゆっくりフラン。 みな、にやにやしながらこれからの残酷な宴の想像をしていた。 突然茂みから黒い影が猛スピードで飛び出す。 「うーーーーーーー!!」 ゆっくりフランのうちの一匹が大きな悲鳴を上げた。 仲間達が悲鳴の先を見ると、リボンが外れたゆっくりるーみあがフランに喰らい付いている。 「がっ、がっ」 何故弱小種であるはずのゆっくりるーみあが仲間を? 三匹のゆっくりフラン達が呆然としている間に、ゆっくりるーみあがゆっくりフランの頬を噛み切った。 「うーーーーーっ!!」 今まで外敵に攻撃など受けたことの無いゆっくりフランである。 大きな混乱に包まれていた。 口の端から餡子を漏らしながら美味しそうに咀嚼するるーみあ。 仲間が固まっているうちに、震えるばかりのゆっくりフランに噛み付いては、引きちぎり、噛み付いては引きちぎり。 もうゆっくりフランは見る影も無く、皮と餡子の塊に成れ果てていた。 「ゆっくりしてくのかー」 先ほどとは別ゆっくりのような様子のゆっくりるーみあに突進していく一匹のゆっくりフラン。 このゆっくりフランはゆっくりるーみあに同胞が負けたのは奇襲のせいだと踏んだのだ。 遺されたフランたちは判断を誤った。 「うーーー」 一直線にゆっくりるーみあに向かっていくゆっくりフラン。 衝突すると思った次の瞬間。 「うっ!!」 ゆっくりるーみあは消え冷たい土の感触。 「うっ!? うっ!?」 混乱しながら辺りを見回すゆっくりフラン。 そのとき上に気配を感じた。 「う?」 上を見上げたときにはもう遅い。 上空から自重と重力を利用して突っ込んでくるゆっくりるーみあ。 「ぶべぇ!!」 二匹目のゆっくりフランも醜く餡子を漏らし潰れた。 一瞬で最強種といっても過言ではないゆっくりフランを絶命させたゆっくりるーみあ。 「あわわわわわわ」 目を見開き、口を広げ震える二匹のフランに向き直るゆっくりるーみあ。 真っ赤に燃える瞳は地獄のよう。 普通のゆっくりるーみあとはもはや別種と言っていいほど、雰囲気が変わっていた。 ゆっくりるーみあには震えながら羽を広げる姿が十字架のように見えた。 「フランは磔にされました?」 そう笑い声を上げるゆっくりるーみあ。 ゆっくりフランが別々の方向へと逃げ出した。 「ううーー、うー」 そのゆっくりフランは全速力で夜の闇を飛んでいた。 理解できなかった。 なぜ弱小種であるるーみあにここまでフランたちが圧倒されたのか。 そのときゆっくりフランは初めて恐怖という感情を覚えた。 いままで、自分達に追い詰められた獲物は成す術も無く甚振られ死んでいった。 反撃を試みてくる種もいたが、全て一蹴にした。 なのになぜ、あいつは、あいつは。 「うーっ!!」 遠くから、同種のものと思われる悲鳴が聞こえた。 どうやら自分はターゲットにされなかったようだと、安堵のため息をつくゆっくりフラン。 自分は助かった。 当分は湖周辺に篭ろう。 そうだ、ゆっくりれみりゃたちを苛めて楽しく過ごせばいいのだ、 「なんで、逃げるの」 突然後ろから声がした。 忘れもしないあのゆっくりるーみあの残酷でよく通る冷たい声。 緊張で再びピーンと羽を広げるフラン。 くすくす、という笑い声の後 「フランは磔にされました」 それがゆっくりフランが聞いた最後の音であった。 ゆっくり大辞典:ゆっくりるーみあ 夜行性かつ肉食だが大概のるみーあ種はのんびりとした性格で ゆっくりを捕食するよりも小型動物や昆虫を食し、月夜の晩にゆっくりとしていることが多い。 しかし、頭部のリボンが外れた場合、運動能力が増し上位肉食種と拮抗して戦闘する事例も報告されている その日も綺麗な満月だった。 リボンをつけていないゆっくりるーみあは月光を浴びながら、原っぱで気持ち良さそうにゆっくりとしていた。 written by TAKATA
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4328.html
注意 虐待ありません パロディです。 都合上、ゆっくりが現れてからの年数を「Y歴○○年」と表記しています。 『YUKKURI of THE @%#$?』 #1 あそぼうれみりゃ 「ねぇ、まりさ知ってる? 子ゆっくり達の間で流行っている噂」 「ゆっくり知ってるぜ! あれだろ? "あそぼうれみりゃ"」 「ええ、おかげで遊び場に遅くまで居座る子ゆっくりがいなくなって助かるわ」 今、子ゆっくり達の間で『あそぼうれみりゃ』という噂がまことしやかに流れている。 どのようなものかと言うと… 「ゆぅ、すっかり遅い時間だよ! 早くゆっくり帰るよ!」 ほぼ太陽が沈んだ頃、子れいむは忘れ物を取りにドーム型の人工洞窟に戻ってきた。 この人工洞窟はいつからあったのかは定かではないのだが、天井に発光成分のあるコケが張り付いており、 いつでも明るかったため子ゆっくり達の遊び場となっていた。 成ゆっくり達はこの場所を利用できない。 なぜなら、入り口が横に狭く、成体ゆっくりでは進入できないから。 「でも、みんなばかだよ! "あそぼうれみりゃ"なんてただの噂話なのに怖がって!!!」 (むきゅ、夕方過ぎまでこの洞窟にいると、入り口にれみりゃがくるそうよ!) 「ゆ…あ………ぁ……」 洞窟の入り口にはゆっくり通常種の天敵の捕食種、れみりゃがいた。 普通のれみりゃは太っていて鈍重だが、このれみりゃは骨と皮だけと言わんがばかりに痩せている。 腕も足も木の棒のように細く、服もスカスカ。 顔も下膨れが引き締まり、まるで餓死直前であるかのような様相だ。 (それでね! れみりゃは洞窟の中には入ってこないのよ! だから、こういって誘い出そうとするのよ!!!) 「あそぼお」 「ゆっくりこの中に入れないのはわかってるよ!!! れいむはゆっくり帰るからさっさと出て行ってね!!!」 子れいむは振り絞れる勇気すべてを使ってれみりゃに威嚇する。 「はやぐででいっでよおおおおぉぉぉ!!! れいむががえれないでじょおおおおぉぉ!!!」 れみりゃは出入り口に両手足をかけ、入り口を揺さぶる。 「あそぼおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 「あそぼおおおおおぉぉぉおおおおぉぉぉおおおお!!!」 「あそぼおおおおぉぉおおおおおぉぉぉおおおおぉぉおおおおおお!!!」 「あそぼおおおおぉぉおおおおおおぉおおおぉおぉおお!!!」 入り口がガタガタと音を立てて揺れる。 子れいむは恐怖のあまり声を出すこともできずにこの光景を見ている。 もし、『あそぼうれみりゃ』が「入ってこない」のではなく「入ってこれない」のだとしたら? もし、「入ってこれない」理由が「入り口が狭いから」だとしたら? もし、洞窟に進入するためにガリガリに痩せたのだとしたら? ----Y暦31年.人工洞窟 #2 訪問 がさがさ… 「はぁ」 またか、とみょんはため息をつく。 夜中、たまに自分の家と間違えてバリケードを破って入ってくるゆっくりがいる。 しかもたちの悪いことにそのままおうち宣言するということもある。 みょんは少々手荒だが、木の棒でしたたか叩いてから追い出すようにしている。 光コケの蓋を取り、明かりを確保。武器である木の枝を咥え、侵入者を待つ。 がさささ!!! ひときわ大きい音がしてバリケードが完全に崩れた。 そこにいたのは 「み"ょん!!?」 ゆっくりれいむであったが、額から右頬にかけて皮が破れだらりと垂れ下がり、 左頬は損壊し歯が見える。 そして頭には見たこともない金属片が突き刺さり、眉間には木の枝が突き刺さっていた。 「ゆュ……まチガえタ」 みょんが固まっているとれいむは一言 そう残してどこかへと跳ねていった。 ----Y暦27年.泉のほとりにほど近い洞窟 #3 帰り道 ザーザー… 「ゆぅ、全くついてなんだぜ…」 友達のれいむと遊んでいたら、突然雨が降り出した。 れいむの巣はすぐ近くだがまりさの巣は結構遠い。 最初はぽつぽつとしか降らなかったので、大きな葉っぱを傘代わりにすれば濡れずに帰れるだろう。 そう思ってれいむの巣で雨宿りせずに帰路についたが、 もうそろそろ巣につくであろう頃になって雨脚が強まった。 傘代わりの葉を見ながらまりさは思う。もっと早くに帰ってれば良かった。と。 ずん! 「ゆっ?」 突然葉が重くなった。 バランスを崩しながらも葉をのぞくと、そこには沢山のゆっくりの顔が映り込んでいた。 「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」 「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」 「ゆ、ゆうぅぅうううう!!!」 恐ろしくなって葉を離し、逃げ出す。 後ろを振り返り、葉を見るとそこにはゆっくりの顔も笑い声も無くなっていた。 「……………」 ----Y暦3年.まりさの巣の近辺 #4 訪問2 「ゆぅ……ゆぅ……」 ちぇんとらんは二匹寄り添って眠っていた。 「おい」 「おいィ」 「おい」 「おいィ!!!」 「ゆぅ?」 「むにゅ…、どうしたのらんしゃまぁ…」 何者かの声にらんが気付き、起きる。ちぇんはらんが起きるとつられて起きた。 何だろうと光コケの蓋を外す。 すると、気の棒などで覆ったバリケードの外に何者かがいることがわかった。 「おいィ!」 ガタガタガタ!!! 木の棒の隙間から声が聞こえる。 二匹はそちらを見て絶句した。 木の棒の隙間から目玉が何個も二匹を凝視しているのだ。 「おいィ…………」 「こコを……アけロ」 正体不明の訪問者にがたがた震える二匹。 「オいぃ!!!」 ----Y暦30年.場所は伏す #5 他に、誰がいたのか 「ゆー、ありす、まりさ! こっちだよ! 早く来てね!!!」 「れいむ、都会派は焦らないのよ!!!」 「そうだよ、もうちょっとゆっくりしようよ…」 れいむ、まりさ、ありす。 仲の良い三匹はこのたび親元を離れ、新しい巣に引っ越そうとしていた。 「でも、そこ本当に誰もいなかったの?」 「ゆ! 誰もいなかったよ! れいむちゃんとこの目で見たもん!!!」 れいむが見つけたのは中くらいの大きさの洞窟。 前日に中をのぞいて見たところ、住人もおらず、誰かが住んでいる様子もない。 三匹で生活するには広すぎるくらいの広さ。 れいむは一目で気に入り、三匹での生活に心踊らせ、二匹に知らせ 早速翌日三匹で下見をしに来たのだ。 「ゆ! ついたよ! ここだよ!!!」 岩肌に見える小さめの穴。成ゆっくり一匹分の入り口。 「ゆー! なかなか都会派な場所じゃない!!!」 「まりさここ気に入ったよ!!! さすがれいむだね! ゆっくりできるよ!!!」 早速三匹は順番に洞窟の中に入った。 「ゆわ~ひろ~い!」 「ありす、ここが気に入ったわ! さっそく、お引っ越しの準備しましょ!」 「ゆ? 誰かいるよ!!!」 入ってきたときは誰もいなかったはずなのに、気がつけば自分たちの目の前にゆかりんがいた。 そのゆかりんは一瞬だけ笑ったように見え、 ザクッ! 袈裟に切られた。 しかし三匹には何がゆかりんを切り裂いたのか、見えなかった。 ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ! ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ! ゆかりんは中身をまき散らかし、残骸があちこちに散らばった。 その中で、目玉だけはしっかりと三匹を見据えていた。 ----Y暦27年.山奥の洞窟 お気づきの方もいらっしゃると思いますが、 これらは「不安の種」のエピソードを元に作成されています。 これかなり怖いので、怖いの苦手な方は見ない方がいいです。 次は「不安の種+」のエピソードも書こうかなぁ、と思っています。 今まで書いたSS ドスまりさとゆうか1~3 ゆっくり闘技場(性)1 不幸なきめぇ丸 名物餡玉 行列の出来るゆっくり スカウトマンゆかりん前・後 ファイティング親子とゆっくり まりさの商売 ぱちゅりーの失敗1~4 盲点 進化 ぶっかけ!ぱちゅりー! 短い話しを一つだけ ありふれた話 対決!ドスまりさ! 被虐のみょん_その一 とあるきめぇ丸の一日 おさんぽバターみょん さなえに首ったけ ゆっくり兵団 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4376.html
※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。 ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※虐待パート小休止中。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』15 その日は特別暑い日だった。 私は疲れ果てていたが、ゆっくりに囲まれて歌わされていた。 無理に笑顔を作り、リズムをとって声を絞り出す。 「ゆっゆっゆ~……ゆ~ゆ~ゆゆゆ~……」 「ゆゆっ、ぜんぜんだめだよ!!やるきあるの!?」 「にんげんさんはほんとうにゆっくりできないわ、むきゅ!」 その時、突然、上空で物音がした。 バシュウウウ、となにかが吹き出すような音。 上を見ると、穴の口から見える空が、薄いピンク色の霧に包まれている。 「ゆゆっ!?なんなの!?ゆっくりできるもの!?」 「けむりさんはゆっくりしていってね!!」 ゆっくり達はしばらくうろたえていたが、やがて弛緩して地面に横たわり始めた。 「ゆゆぅぅ~~~……なんだかとってもゆっくりできるよ……」 「ゆゆゆぅ……ゆっくりしていってね……」 「ゆっくりするよぉぉ~~………」 だらしなく顔をゆるめ、地面に延びるゆっくり達。 声をかけてみても、ゆっくりするのに夢中といった様子で無反応だ。 しばらくしてから、ヘリコプターの音が聞こえてきた。 待っていると、果たして人間の姿が見えた。 「圭一さん!須藤さん!」 渇望していた人間の声だった。 あの施設の男たちらしい。 あれほど見つかるまいとしていた相手に対して、私はうれし涙を浮かべて声を返した。 「助けて!!助けてーっ!!」 すぐに縄梯子が垂らされた。 「圭一さん、来たわ!助けが来たのよ!!」 「ああ」 長浜圭一はさして感動もない様子で頷いた。 「大丈夫?登れる?」 「左足だけでも充分登れるさ」 長浜圭一を先に行かせ、尻を押してやる。 彼が無事に上がったのを確認すると、私も続いて梯子を登っていった。 「ゆっくりぃぃ~~~……」 「ゆっくり………ゆっくり………」 「ゆふぅ……ゆふぅ………」 地上に上がると、全てのゆっくり達が弛緩して地面に広がっていた。 どれもが究極のリラックスといった表情で、侵入者の人間たちを前にしてさえ反応しない。 ドスまりささえ弛緩してだらしなく広がり、その下に数匹のゆっくりを下敷きにしているが気づいていない。 十何メートル離れた草地にヘリコプターが止められており、 十数人のスタッフが集まって何事か準備している。 縄梯子を垂らしてくれた二、三人の男たちに聞いた。 「これは……何をしたの?」 「『ゆっくりオーラ』ですよ。 ドスゆっくりが常に微量のゆっくりオーラを放っていて、 周囲のゆっくりをゆっくりさせていることはご存じかと思います。 そのゆっくりオーラの成分を凝縮して強化し、さらにゆっくり以外に効力が現れないように合成したものを、 ガス爆弾にして上空からここに投げ込みました」 「そんなものまで作ったの?」 「いえ、あなたの娘さんの作品ですよ」 「……そう」 ゆっくり研究の第一人者である娘なら、こういうものを作ってもおかしくなかった。 一瞬聞き流しそうになったが、私は思い当たり、聞いてみた。 「そういうものを、娘があなたたちに預けていったの?」 「そうです」 「いつ?」 「出発の直前です」 「出発前って、誰の……?」 男は肩をすくめ、地面に腰を下ろしている長浜圭一のほうを見た。 長浜圭一が言った。 「ああ、もう言ってもいいだろう。あんたがあの施設を出発する前日だよ、須藤さん」 どういうことなのか飲み込めなかった。 混乱する思考がまとまらないままに、私は質問を繰り返した。 「出発………って?どういうこと?娘が……え?」 「あとは娘さんに直接聞いたほうがいい。 おい、博士はどこにいるんだ?」 長浜圭一が男たちに聞くと、ノートパソコンを携えた男が答えた。 「今から突き止めるところです。録画した映像です」 ノートパソコンの画面に映像が表示される。 それはひどく低い視点の映像で、暗い洞窟の中を映していた。 その洞窟の中、正面にいるのは……長浜圭一だった。 視界の隅には私の姿が時々覗いている。 「昨日録画したものです」 言葉を失って凝視しているうちに、視点が変わっていく。 映像は洞窟の中から地上に移り、森の中を縫って進んでいた。 「ありすの映像ですが、この後須藤春奈博士のところへ向かいます。 たどっていきましょう」 ノートパソコンの映像で道筋を確認しながら、長浜圭一が男たちの肩を借りて森の中へと進んでいく。 私はわけもわからず、その後を追った。 「んほおぉぉぉぉ!!おねえさんのまむまむぎもじいいいいぃぃぃ!!!」 「にんげんのおはだとかいはだわぁぁぁ!!んっほおおおぉぉぉぉ!!!」 「んほほほほほほほすっきりいぃぃぃーーーーーーっ!!!」 岩壁に穿たれた自然の洞窟の中に、私の娘はいた。 上半身を露わにして横たわる娘に、何匹ものゆっくりが身をこすりつかせていた。 スカートとパンツの他に何もつけていない春奈の体中がゆっくりの粘液にじっとり濡れている。 一週間もの間、恐らく何も食べていないだろう春奈がゆっくり達の慰みものになっていた。 脳髄に焼けた鉄が詰まったような怒り、いや激怒。 怒りのあまりに声も出せず、私はその洞窟に踏み込んだ。 「ゆゆっ!!にんげんさんだよ!!かってにぬけだしたの!?」 「かってにでちゃだめよ!!ゆっくりできないわね!!」 「れいむがおくってあげるからおうちにかえろうね!!」 順番待ちらしき、入口近くにたむろしていたゆっくり達が私のほうへ跳ねてきた。 その横っ面を力まかせに蹴りつける。 「ゆびぇ!!?」 蹴ったのは一匹のありす種だった。 そのありすは蹴られた勢いで吹っ飛び、洞窟の壁に叩きつけられて潰れ、カスタードをまき散らした。 明確な殺意をもってゆっくりを殺したのは初めてのことだったが、 怒りにかられている今の私は、そのことを意識さえしなかった。 放心状態で呆然としているゆっくり達を無視し、春奈の元にたどり着く。 春奈の体に身をこすりつけているゆっくり達、いや、ゆっくり共はすっきりに夢中で私に気づかないようだった。 「まむまむ!!まむまむ!!にんげんまむまむぎもじいいぃぃぃぃんほほほほほおおおお!!」 そのれいむは、春奈の口にぺにぺにを突っ込んで顎を振っていた。 私に背を向け、全身から粘液を飛び散らせながら一心不乱に顎を振るそのゆっくりの頭には、見慣れた飾りがついている。 私の……私がつけてあげたゴールドバッジ。 「んほっ、んほっほっほっほっヤバヤバヤバイ、イクイクイクイクイクんほっほっほおおおおおーーーーーっ!! でるっ、でるでるでるよおおおおいっぱいでちゃうううぅぅ!! かわいいれいむのおちびちゃんのもとたっぷりのんでねえぇぇぇぇ!!! すっ、すっ、す、すすすすすっっっっきりいいいいいーーーーーーーーーーっ!!?」 れいむは、春奈の口の中に精子餡を流し込むことはできなかった。 射精の瞬間に後頭部を掴まれたれいむは、 私の手に掴み上げられた状態で空中に精子餡をまき散らしている。 「ゆっ!?ゆっ!?ゆゆゆゆゆっ!?ゆっゆっ!?」 「………れいむ。何をしてるのかしら?」 「ゆっ!?すっ、すっきりっ!?ゆううぅ!?れいむじゃないよ!?れいむなの!?ゆっゆゆゆゆゆ」 射精直後の放心状態も手伝って状況がつかめずにいるらしいれいむを、私はそっと地面に下ろした。 下ろされたれいむは、すぐにぷるぷると体を振り、正気を取り戻したようだ。 私のほうに向かって叫びはじめた。 「おねえさんなにしてるのおおおぉぉぉ!? かってにでてきちゃだめでしょおおぉぉぉぉ!!!だれがでてきていいっていったのおおおぉぉぉ!? おねえさんはまだまだゆっくりしてないんだよ!!べんきょうしなきゃいけないんだよぉ!! わかってるの!?わがままもいいかげんにしてねえぇぇぇ!!」 バァン!! 私は靴を脱ぎ、靴の底をれいむの眼前の地面に叩きつけた。 「ゆっ」 れいむは硬直し、私の顔を見上げた。 その表情には、かつての「主」に対する感情が戻り始めていた。 「もう一度聞くわ、れいむ。私の娘に何をしていたの」 「ゆっ………ゆっ…………か、かわ、かわいいれいむをおこらないでね?ゆっくりして」 「答えなさい!!!」 再び靴を地面に叩きつける。 れいむのまむまむからちょろちょろと小便が漏れ始めた。 「ゆ…………ゆ…………ごべ、ごべんなざ……」 「誰が謝れなんて言ったの?何をしてたのかと聞いてるのよ」 「ず、ず、ずずずずずっぎ、ずっぎ………ごべ………ゆるじ、ゆるじでぐだざ……」 「すっき、何!?最後まで言いなさい!!」 「すっ、すっき……すっき……しょ………しょうがないでしょおおおおおおおおおお!!!?」 れいむは逆ギレして叫び始めた。 「これぐらいしかにんげんさんのおしごとがなかったんだよおおぉぉぉ!! かりもできないし!おうちもつくれないし!かわいくないし!ゆっくりできるおうたもうたえないし!! なんのやくにもたたないからすてようってみんながいうのをれいむがかばったんだよ!! そしたら、そしたら、ありすがいったんだよ!にんげんさんはすっきりできるってえぇ!! だからおしごとをあげたんだよ!!やっとにんげんさんのおしごとがみつかったんだよおおぉ!! おしごとをしないとおいてあげられないでしょおおおぉぉぉ!!?」 言葉を失っていると、春奈が起き上がってきた。 「春奈!」 「やるって言ったのはあたしだよ、ママ」 そう言い、春奈は周囲のゆっくり達を掴んで投げ捨て、上半身裸のまま伸びをした。 「服はどうしたの!?」 「ゆっくりが持っていっちゃった。布団にしてるってさ。 スカートとパンツは髪の毛だと同じって言ったから助かったけどね」 「春奈……」 下半身のほうを見る。足は粘液に濡れていたが、内部まではわからない。 私の視線の意味を察知した春奈が説明してきた。 「大丈夫だよ。まむまむっていうのは、ここ」 春奈は自分の口を指差した。 「ここがまむまむだって教えてあげたの。それで、みんなこの中に出す出す。 つまり、食べ物には困らなかったってわけ」 それでも、娘は辛そうに息を吐いた。 「お茶飲みたい……一週間胸焼けしっぱなし」 「水なら持ってきていますよ」 「ありがと」 男の一人が水筒を差し出し、娘はごくごくと飲んだ。 「よかった………」 私は春奈を抱きよせた。 「わっ、ママ臭っ」 「あ……ごめんなさい」 「お互い様だけどね」 春奈が立ち上がり、男から差し出された大きなタオルを肩からまとう。 「本当によかった……あなたに何かあったら、ママは……」 「ファミリードラマをやってる状況じゃないんだ、ママ。 全部計算ずくだよ、こっちは」 「……何を言ってるの?」 「あのね、ママ。もう言っちゃうけど、最初から全部バレてるの」 春奈が言うには、私がゆっくり達をあの施設から逃がすと言い出したときから、 すべては施設のスタッフに筒抜けだったらしい。 春奈が早々にスタッフに伝えたこともあるが、そもそもはすべて監視カメラに映っている。 あの施設には、ほぼすべての部屋に監視カメラがあったらしい。 最新技術による監視カメラは小型かつ目立たない形状で、私には見つけられなかった。 「ママ、ドラマや映画の見過ぎ。 ヒーロー気取るのは簡単だけどさ、正義感だけじゃ運も環境も味方してくれないよ。 ママの脱出計画じゃ大雑把すぎて、気づくなってほうが無理だったよ」 「…………じゃあ……なんで止めなかったのよ」 「使えるかなって思ってさ。 あのゆっくり達の髪飾りに細工してあるのね、カメラと発信機。 あれがあれば、どこに行っても居場所はわかるし、カメラで見てる景色や話し声も筒抜け」 「…………」 「あたしは考えたのね、もしかしたらもっとドラマができるんじゃないかって。 一旦は人間に捕まって、ひどい復讐を受けるゆっくり。 ところが心優しい人間がゆっくり達を逃がしてくれる。 さて、人間に逃がしてもらったゆっくり達はどうするか。 逃がしてくれた恩人に対してどういう態度をとるか。 そういう事、全部記録してみたくてさ」 「……どこまでもゆっくりを悪役にしたいわけね」 「そういうこと。万一あれらが、もう人間に関わらないようにしたとしても、 こっちから細工してそうせざるをえないように仕向けるつもりでした。 キャンペーンのために、そういう映像は沢山あったほうがいいし、 それから生態研究のためもあるし、あと他にも映像の使い道を考えててさ」 私はがっくりとうなだれた。 ひどい徒労感に襲われて顔を上げることもできなかった。 「……あんたって子は………」 「でも、何が起こるかなんてわかんないもんだよね、ママ! あんな穴があって、そしてこの一週間でしょ。 こんなに面白い映像が撮れるなんて思わなかったよ。ゆっくり達みんな、 あたしたちが仕向けるまでもなく、たっぷりと悪役を、というか敵を演じてくれたわ。 すぐに助けを呼ばなかったのも、たっぷり記録するためよ」 そう言って、春奈は携帯電話らしきものをポケットから取り出した。 普通の携帯のようには見えない。特殊な通信機らしい。 「すぐに駆けつけて、皆さんを助けだすことは容易でした」 背後で男が言う。 「ですが、須藤春奈博士のご指示により、しばらく時間を見ました。 すべては記録されております」 「………私のことも?」 「……失礼ながら。 ただ、あの……『問題の場面』に関しては……遠隔操作で映像記録は中断しております。 どうか御信用ください」 排便させられていた事を言っているのはすぐにわかった。 「あとね、『処置』はもう全部終わってるの」 春奈が言った。 「ママ止めようとしてたけど、出発する前にあのゆっくり達はもう処置しちゃった。 もう手遅れだよ。『計画』はもう始まってるんだ」 私は顔を上げたが、言葉は出なかった。 暴れ出したかったが、それよりも脱力感が勝っていた。 なにを言っても無駄なのはわかっていたし、自分一人だけが道化を演じ続けていたことがわかった今は空しいだけだった。 ここで怒り散らしたところで、道化は道化でしかないだろう。 「こんなこと言うのはなんだけどさ、ママは怒る権利ないんじゃない? あたしたちがこんな目に逢ったのも、元をただせばママの失態でしょ。 あたしがもし携帯電話持ってなかったら、どうする気だったの?娘の人生」 洞窟の地面を眺めながら、私は春奈の言葉をぼんやりと聞いていた。 その声を聞いても、自分の娘の声だという実感はわかなかった。 袂を分かったのだ、という気がした。 住む世界も歩む道も、娘はもう私には理解できないところにいるのだ。 「長浜さんもごめんね?足は大丈夫?」 「俺の心配はしなくていい」 「でもごめんね。まあ、もともと長浜さんが勝手に追いかけてきたんだし。 なんであんなことしたの?」 「……さあね。見届けたかったのかもな」 「わっかんないなあ」 「ゆっくりそこまでだよ!!」 振りかえると、洞窟の入り口近くでゆっくり達が固まっていた。 私のれいむ始め、娘に群がっていたゆっくりが徒党を組んでこちらを睨んでいる。 「いうことをきかないおねえさんはゆっくりできないよ!!」 「よくもありすをころしたね!!ありすにはちいさいおちびちゃんがいたんだよ!! もうしわけないとおもわないのおぉ!?」 「にんげんなんかかおうとおもったのがまちがいだったね!! こんなにあたまがわるいなんておもわなかったよ!!」 「おねえさん!!」 顎を反らし、れいむは居丈高に言い放ってきた。 「れいむはおねえさんがだいすきだけど、こんかいばかりはおおめにみられないよ!! れいむはむれのなかまだから、むれのるーるはまもらなくちゃいけないよ! ゆっくりごろしはどすにどすすぱーくをうってもらうよ!!」 「どすすぱーくだよ!!どすすぱーくだよ!!」 「ゆっくりどすのところまでついてきてね!!にげようとしてもむだだよ!! おねえさんはゆっくりつみをはんせいしてね!!れいむだってつらいんだよ!!」 私たちを促しながら、れいむ達は歩きはじめた。 私たちは眼を見合せてから、ゆっくり達の遅々とした歩みについていった。 歩きながら、れいむは何度も何度も私たち親子に話しかけてきた。 「れいむはがんばったんだからね!!ずっとがまんしておしえてたんだよ!! わるいのはおねえさんたちだからね!!」 「なんでわかってくれなかったの?そんなにれいむがきらいなの? れいむはおねえさんがだいすきだったんだよ!!」 「そのめはなんなのぉ!!わるいことしたってわかってるの!?」 「れいむはおしおきなんかしたくないんだよ!! どんなにあたまがわるくても、ゆっくりできなくても、 れいむはずっとおねえさんたちといっしょにいたかったよ!! それなのにおねえさんたちはれいむをうらぎったんだよ!!れいむのかなしみがわかってるのぉ!?」 私たちは一度も答えなかった。 「ゆゆっ!!みえてきたよ!!どすたちがいるよ………ゆゆゆっ!?」 ドスまりさを始め、群れのゆっくり達は全員が補縛されていた。 施設の使用人たちが数台の車やトラックで乗りつけており、 トラックの中に網でまとめて補縛されたゆっくりが次々と押し込められている。 すでにゆっくりオーラガスの効力は切れたらしく、 網の中のゆっくり達は口々に人間を罵っていた。 「だしなさいいぃぃ!!いなかものおぉぉぉ!!」 「わからないよー!!わからないよー!!」 「ひきょうなのぜ!!まりささまとしょうぶするんだぜぇぇ!!」 「かわいいれいむをここからだしてね!!だしてねえぇ!!」 見ると、ドスまりさは網ではなくロープで、横向きに板に固定されていた。 まだトラックに運び込まれていないが、帽子を奪われてなすすべなく泣き叫んでいる。 「おぼうしいいぃぃぃ!!どすのおぼうしかえしてねぇぇ!! おぼうしさんがないとゆっくりできないよおおおおぉぉぉぉ!!」 ドススパークを撃つのに必要な特殊なキノコも帽子の中なので、 帽子が奪われて固定された今、ドスまりさは無力だった。 「むきゅううぅぅぅ!はなしなさいいぃぃぃ!」 ドスまりさの傍らには、参謀役のぱちゅりーがやはり縛られている。 「ゆ、ゆ、ゆゆゆゆゆ…………?」 「ゆゆゆっ!!たすけがきたよ!!れいむはゆっくりしないでたすけてねぇ!!」 「まりささまをたすけるんだぜ!!はやくするんだぜぇぇぇ!!」 「むきゅ!れいむ、むれをまもりなさい! むれのみらいはあなたにかかってるのよむきゅうううぅぅ!」 やってきたれいむ達に向かって、網の中のゆっくり達が一斉に助けを求めはじめた。 れいむ達は「ゆっ?ゆっ?」と鳴きながらおろおろと右往左往するばかりだった。 「例の十三匹はすでに車に乗せてあります」 「御苦労さま」 男たちの報告を受け、春奈が頷いた。 「群れは全て運び出しますか?」 「うーん、こんなにいらないかな。ドスとぱちゅ、あと五十匹ぐらいで、他はほっといていいよ」 「では、ドス達を。すでに五十匹以上集まってます」 指示していた春奈が、私に向かって聞いてきた。 「それはどうしようか?あたしはどっちでもいいけど」 春奈が指したのは、私のれいむだった。 れいむを連れて帰るのか。 ドスがいなくなったこの群れで、飼いならされたれいむが生き抜き、まして冬が越せるとは思えない。 放っていくことは殺すことと同義だろう。 しかし、今のれいむを私の家に迎え入れたいとはどうしても思えなかった。 善意からであれ、れいむがここで私にしたことを忘れ、水に流すことは私にはできなかった。 それでも、私は踏ん切りがつかず、対話を求めた。 「……れいむ」 「ゆゆゆっ!!」 トラックに運び込まれていく群れを呆然と眺めていたれいむが、 ぴょんっと軽快に跳ねてこちらを振り向き、満面の笑顔を浮かべて叫んだ。 「ゆっくりしていってね!!」 「……え?」 何を言われたのか一瞬わからなかった。 「おねえさん!れいむおいたをしちゃったね!! ゆっくりごめんなさいだよ!れいむをおこってる?」 「………」 「ゆゆゆっ!!おこらないでね!!おこらないでね!! れいむにおしおきしてね!おしおきはつらいけどがまんするよ!! そしたられいむいいこになるからね!!」 「れいむ……」 「おねえさんがおこってるとれいむはかなしいよ!! れいむはんせいするからね!ゆっくりしていってね!!」 「あなたは悔しくないの!?」 「ゆゆゆっ!?」 私はれいむの前に膝をつき、助けを求め続けている群れを指差して叫んだ。 「これを見てなんとも思わないの!?」 「ゆゆっ!おこらないでね!おねえさんこわいよ!! ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 「いいから聞きなさい!! あなたの群れでしょう!?このゆっくり達があなたの家族でしょう!? 家族を縛られて連れ去られて平気なの!?怒らないの!?」 「ゆゆゆっ!?きっとみんながわるいんだよ!! わるいことをしたからにんげんさんにおしおきされるんだね!! れいむもおいたしちゃったからおしおきがまんするよ!!」 「悪いことって何よ!? あなたたちが何をしたのよ!言ってみてよ!!」 「ゆゆっ!?」 れいむはわざとらしく、可愛い仕草で小首をかしげてゆんゆん鳴いた。 かつては、この仕草をされると私は怒る気が削がれてつい甘くなってしまったものだが、 今、その仕草は火に油を注ぐ効果しかなかった。 「ゆっ!ごめんなさい!れいむはゆっくりわからないよ!! れいむにおしえてね!ゆっくりがんばっておぼえるよ!!」 「私が大好きなんでしょう!? 好きだから!ここで!私を飼ってたんでしょ!? 私が群れの仲間になるためにしつけてたんでしょ!!?」 「ゆゆゆ!だいすきだよ!!れいむはおねえさんがだいすきだよ!! ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 れいむは突然にこにこして飛び跳ね始めた。 それが伝わっているなら安心だ、と思っているのだろうか。 「だから私を飼ってたんでしょ!?」 「ゆゆゆっ!?ちがうよ!おねえさんがれいむをかってるんだよ!! れいむはわかってるよ!ゆっへん!!」 「さっきまで言ってたことと全然違うじゃない!!」 またわざとらしく首を振り始めた。 眉を八の字に困らせ、もみあげで唇をつついて考えるふりをしている。 無知ゆえの過失ということにしてごまかそうとしているのは明白だった。 「ゆゆぅ~?れいむ、わからないよ? れいむ、なにかゆっくりできないことをいったの?おねえさん、おしえてね!」 「私を!ここで!飼うんでしょう!? 私たちをゆっくりの仲間にするんでしょう!!」 「ゆゆゆっ!!そんなこといったの!? きっとれいむはかんちがいをしてたんだよ!!れいむ、ゆっくりできないね!! ゆっくりできなくてごめんなさい! れいむがゆっくりできるいいこになれるように、れいむがわるいことしたらおしえてね!!」 かつて私が躾けた、人間に対する挨拶をれいむは繰り返し叫んだ。 私はそれから、れいむがやったことを一つ一つ並べ、どういうつもりだったのか問い詰めた。 私を穴に閉じ込め、どれだけ拒否しても雑草や虫を与えようとし、排便までさせたこと。 いじめられている長浜圭一を助けようとしなかったこと。 そして、私の娘を犯したこと。 しかし、まったく会話にならなかった。 私が何を言ってもれいむは空とぼけて、 「れいむはわからないからわるいところはゆっくりおしえてね!」を繰り返すばかりだった。 「ゆゆゆ~♪かわいくてごめんねっ♪」 ついには媚びはじめた。 「かわいくてごめんね」を繰り返し、小首をかしげてみせる。 この仕草が私は昔大好きだった。 こうすれば私の機嫌がよくなると、このれいむは知っていた。 ちらちらとこちらの表情を窺いながら、ひたすら無知を装い、媚び、へつらい、 こちらの怒りが逸れ、うやむやになって収まるのを期待して待っている。 なぜ私が怒っているのかという原因には、全く関心がないらしかった。 それは、かつて私が愛したゆっくりの姿だった。 躾の行き届いた、飼い主に愛らしさを振りまく、理想的なゆっくりだった。 このれいむだけではない、私がかつて世話した何百匹のゆっくりが、 根気強い躾の末に、こういうゆっくりになった。 しかしそれは、心底から礼儀作法を重要視しているのではなかった。 自分たちのほうが立場が強く、人間の言うことを聞かなくてもいい、 そんな状況になれば、あっさりと脱ぎ捨てられる程度の仮面でしかなかった。 立場が逆転したのを理解した今、このれいむは、あわててその仮面をかぶり直そうとしている。 私はそこでようやく、苦い事実を知った。 「あんたは………」 「ゆゆっ?」 「あんたは私と話すことなんかないわけね」 「ゆゆっ?おはなしするよ!れいむはおはなしがとくいなんだよ! どんなおはなしがしたいのかいってね!ゆっくりがんばるよ!!」 「命令を聞くだけなんだ……家族なんかじゃなかった……」 「ゆゆゆっ!そんなことないよ!れいむはおねえさんがだいすきだよ! ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 私が、生まれてから世話し、その死を看取った何百のゆっくり。 その中で、ただの一匹として、私に心を開いたゆっくりはいなかった。 私ひとりだけが空回りして、家族だと思っていたのだ。 ゆっくりにとっては、 「とにかく言う事を聞いてさえいれば世話してくれる便利な生き物」でしかなかったのに。 私は地面に突っ伏して泣いた。 「当たり前じゃん」 後ろで春奈が言っていた。 「人間の言う論理なんて、ゆっくりの価値観じゃぜんぜん理解できないの。 理解できない躾にハイハイ従うっていうのは、つまり強者への盲従で、思考停止だよ。 思考停止してる相手に、情も信頼もないでしょ」 続く
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1214.html
「ゆっくり手品」 一週間ぶりに外に出ると、あまりの暑さに逆に清々しい気分になった。 頭がおかしくなる前兆なのか、それともそれとは別の意味でヤバイのか… どちらかわからないが、ずっと家に篭っているわけにもいかないので里に出て買い物を済ませることにした。 眩しい日差しに目を細めながら歩いていると、あるものが目についた。 店頭に並んでいるのは、真っ黒な箱が5つ。これだけでは一体何に使うのかわからない。 横のプレートに書いてある説明を読むと…どうやらこれで手品をするらしい。 どんな手品が出来るのか、値段はいくらなのか、そんなことが書いてあった。 …ふむふむ、なるほど、把握した。 面白いことを思いついたので、購入を即決。他の買い物も済ませて帰路についた。 荷物を家の中に置いて、僕は籠を担いで再び外に出る。 先ほどの黒い箱をつかった手品…僕なりにアレンジした手品には、ゆっくりの親子が必要だ。 それも、子供が5匹以上いる事が望ましい。 しばらく草原を歩いていると、木陰で昼寝しているゆっくり一家を発見した。 両親であるれいむとまりさ。そして生まれてから2週間程度と思われる赤ちゃんのれいむとまりさが5匹ずつ。 合計12匹の家族だ。僕の手品には最適のゆっくり一家だ。早速連れて帰ることにしよう。 背負っていた籠を静かに下ろすと、未だ眠っているゆっくり一家を一匹ずつ籠に収めていく。 もちろん起こさないように注意深く、だ。起こしてしまったとしても、逃げられる前に籠に投げ込めば済む話なのだが。 そういった具合に12匹全員を捕獲し終え、蓋をして開かないように紐で結んで固定する。 もうここまでくれば、こいつらを起こさないように、などと遠慮する必要はない。 ウキウキ気分の僕はスキップしながら家路を急ぐ。 「ゆ!?ここはどこ!?まっくらでゆっくりできないよ!!」 これだけの衝撃を与えれば、鈍感なゆっくりでもさすがに目を覚ます。 自分の置かれた状況を把握できていない12匹のゆっくりは、口々に不安を漏らした。 「どうしてまっくらなの!!?」「ゆっくちできないよぉ!!」 「ここからだして!!おうちかえる!!」 そんな悲鳴に心を躍らせながら、僕は籠をもっと揺らしてやった。 家に着くと、僕は籠の蓋を開けて蹴り倒した。 籠の口から流れ出るように、12匹のゆっくり一家が飛び出してくる。 「ゆぎゅ!?ここはどこ?ゆっくりできるばしょ?」 「ゆ!おにーさん!!こんなところにとじこめたのはおにーさんだね!!」 「そんなことするおにーさんとはゆっくりできないよ!!」 どうやら僕が真っ暗な籠の中に閉じ込めたってことは把握しているらしい。 ゆっくりにしては、それなりに知能はあるようだ。 「へぇー…君達はゆっくりできないんだぁ…ダメだね!お兄さんは君達よりずぅーっとゆっくりできてるよ!」 この言葉に真っ先に反応したのは、母まりさだった。どうやら負けず嫌いな性格らしい。 それを見た他のゆっくりも、抗議の声を上げる。 「ゆ!!そんなことないよ!!まりさのほうがゆっくりできてるよ!!」 「そうだよ!!れいむたちのほうがゆっくちできゆよ!!」 「あ、そう。それじゃさっきの真っ暗なところでもゆっくり出来たでしょ?」 「むゆ!?ゆ…そ、そうだよ!!ゆっくりできてたよ!!」 そして、嘘をつくのが下手らしいこともわかった。 「ふーん、それじゃあもう一度このゆっくり出来る籠の中に入るかい?」 「ゆっ!!やだよ!!はいりたくないよ!!」 「どうして?君はとてもゆっくり出来るものだから、ここでもゆっくり出来るんだろう?ほら、入りなよ!」 「ゆぎゅぎゅ……!!」 下唇を噛みながら唸っている親まりさ。悔しそうに顔を真っ赤にしている。 このまま放っておくと中の餡子が爆発しそうなので、話題を変えることにしよう。 「ま、そんなことはどうでもいいんだけどさ」 僕は籠を退けて、ゆっくり一家の目の前に先ほどの真っ黒な5つの箱を並べた。 ツヤのある材質でできているそれは、妖しく光を反射している。 「ゆ?これはなあに?ゆっくりできるもの?」 「それよりおなかすいたよ!!おにーさん!!はやくごはんをもってきてね!!」 「ゆっきゅりおなかすいたよ!!」「ゆっくちおなかすいた!!」 「あかちゃんたちにもごはんをあげてね!!そしたらおにーさんもゆっくりさせてあげるよ!!」 素人ならここでブチ切れて、怒りのままにブチ撒けるのだろうが…僕はニコニコしながら黒い箱を叩いた。 「ま、君達みたいな出来の悪いゆっくりには、“手品”を見ながらゆっくりするなんてできないんだろうなぁ」 “手品”という耳慣れない言葉に逸早く反応したのは、母れいむだった。 「ゆゆ゛!!れいむたちはとてもゆっくりできるよ!!だからさっさとてじなをみせてね!!」 「ゆっくちみせてね!!」「まりさもみたいよ!!」 「いいよ、きっと皆ビックリするに違いないよ」 「びっくりしないよ!!れいむたちはずっとゆっくりしてるよ!!」 「まりさたちはとてもゆっくりしてるよ!!だからびっくりしないんだよ!!ゆっくりりかいしてね!!」 どうやらこいつらにとって、『びっくり』は『ゆっくり』に反するものらしい。 それはともかく、手品を実行する前準備は整ったので、本準備に取り掛かることにする。 「よし、じゃあ見せてあげよう!準備をするから、黒い帽子をかぶった小さい子はこっちに来てね!」 「ゆ!!ゆっくりいくよ!!」「ゆっきゅりてじな!!」 赤ちゃんまりさを呼び寄せようとすると、当然と言うべきか、両親から抗議の声が上がった。 「あかちゃんたちをどこにつれていくの!?ゆっくりつれてかないでね!!」 「あかちゃんたちにひどいことするきだね!!そんなわるいおにーさんとはゆっくりできないよ!!」 うーん、なかなかの知能だな。ま、所詮ゆっくりだからうまく言いくるめれば問題はない。 「あれぇ、そういうこと言って手品の邪魔をするってことは…君達はやっぱりゆっくり出来ない子なのかな!?」 「ゆぎゅ…ゆ、ゆっくりできるよ!!ばかにしないでね!!」 「だかられいむたちのあかちゃんをさっさとつれていってね!!」 ご両親の承諾を得たので、めでたく5匹の赤ちゃんまりさを確保。 そのうち、一匹は…両親のもとに返してあげる。 「ゆ!れいみゅもじゅんびしゅるよ!!ゆっくりつれていってね!!」 「君はいいんだよ。お兄さんは準備するから、君はお母さん達とゆっくり待っててね!」 「みゅ!わかったよ!!ゆっくりまってるね!!」 僕は残りの4匹を別の部屋に連れて行く。 さぁ…これから、死ぬほどビックリさせてやるぞ。 「さぁ集まって集まって!!手品を始めるよー!!」 「ゆー!!」「てじなてじな!!」「ゆっくりてじなをみせてね!!」 餓鬼を集めて紙芝居をするおじさんのように、僕はゆっくり一家を箱の前に集合させた。 横一列に並んだ黒い5つの箱とは別に、皿の上に乗った4つの饅頭と空の皿一枚を用意して、同様に横一列に並べる。 「さっきのあかちゃんたちはどこにいったの?ゆっくりせつめいしてね!!」 「あの子たちには別の手品の準備を手伝ってもらってるよ。邪魔しないであげてね」 「ゆ!!ゆっくりりかいしたよ!!」 母まりさは、未だ警戒心を解いていないのか…事あるごとに子供の安全を確認している。 だが、口先での安全確認などはっきり言って無意味だ。これからそれを理解させてあげよう。 「さて、さっきの黒い帽子の子、ちょっとこっちに来てくれるかな」 「ゆ!まりしゃもてつだうの?」 「そうだよ。とりあえず、このお皿の上に乗ってね」 ぴょんぴょんと、嬉しそうに跳ねて赤ちゃんまりさは皿の上に乗った。 それを確認して、僕は一家の注目を促す。 「それじゃあ説明するよ!これから4個の饅頭とこの赤ちゃんを黒い箱の中に隠します。 そして、箱の並び順をどんどん入れ替えていきます。 最後にお母さんまりさに、赤ちゃんがどの箱に入ってるか当ててもらいます。 赤ちゃんが入った箱を当てられたら、みんなの勝ちです。ゆっくり理解したかな?」 「ゆ!!わかったよ!!おかーさんにまかせてね!!」 「おかーしゃんがんばりぇ!!」「まりさ!!がんばってあかちゃんをみつけてね!!」 やる気になってもらったところで、僕は黒い箱に饅頭と赤ちゃんまりさを収め始めた。 「中は暗いけど、少しの間我慢してね」 「がまんしゅるよ!!まりしゃはつよいこだもん!!」 そんな声も箱の中へ消え、準備は整った。 今、赤ちゃんまりさは5つの黒い箱のうち、真ん中の箱に入っている。 「ゆ!あかちゃんはまんなかのはこにいるね!!」 「そうだね。それじゃあ箱の位置を入れ替えるから、しっかり見ててね。まずは練習だから、簡単にしてあげるよ」 僕は箱の位置をシャッフルし始めた。もちろん、ゆっくりの動体視力で追いつける速さである。 僕自身も赤ちゃんまりさの位置を把握しながら、十数回箱の位置を入れ替えて… 「はい!それじゃあお母さんまりさは、赤ちゃんがどの箱に隠れてるか当ててね」 「ゆゆ!!あかちゃんはこのはこのなかにいるよ!!」 母まりさは迷わず、僕から見て右から二番目の箱に飛びついた。 箱の蓋を開けると……その中には、赤ちゃんまりさが入っていた。 「おお、すごいね!当たりだよ!」 赤ちゃんまりさは箱から解放されるや否や、母まりさに飛びついて頬ずりする。 母まりさもそれに応えるように身体を動かしている。愛情の証なのだろうか。気持ち悪い。 「えっへん!!こんなのかんたんだよ!!もっとむずかしくてもだいじょうぶだよ!!」 「まりさすごい!!さすがれいむのゆっくりぱーとなーだね!!」 「おかーしゃんすごい!!」「おかーさんしゅごい!!」 だが、これだけでは手品とは言えない。これから…本物の手品を見せてやることにしよう。 「練習は終わりにしよう。これから本番を始めるから、赤ちゃんまりさはもう一度箱の中に入ってね」 「ゆ!またおかーしゃんがゆっくりみつけてくれゆよ!!」 自分の母を信頼しきっている赤ちゃんまりさ。 残念ながら、これから君が無事に助かるかどうかは…完全に運次第なんだよ。 「まりさはもっと難しいのがいいか…わかったよ、じゃあこうしよう」 饅頭と赤ちゃんまりさを箱に収め終えた僕は、5つの箱を隠すように黒い敷居を立てた。 その動作を見た瞬間、母まりさの顔から自信が失われていくのが手に取るようにわかった。 「こうすると箱を入れ替える動きが見えないから、すごく難しいね」 「こんなのむずかしすぎるよ!!おにーさん!!ゆっくりそのくろいのをどけてね!!」 「あれぇ?まりさは難しくても大丈夫なんじゃないの?やっぱりさっきみたいに、すっっっっごく簡単なほうがいいの?」 「ゆぐ!!そんなことないよ!!まりさはむずかしくてもだいじょうぶだよ!!」 「そうだよねぇ。だったらこの黒い板を退けなくても大丈夫だよね!」 相当プライドの高いやつだな、こいつは。 そのおかげで交渉がスムーズに進むので、とても助かる。 「わかったらさっさとはじめてね!!まりさがかんたんにあててあげるよ!!」 「おかーしゃんがんばれぇ!!」「おかーさんがんばっちぇ!!」 「始める前にもうひとつ、手品を面白くするために…」 僕はフライパンと携帯用のガスコンロを用意して、一家の目の前に置く。 「まりさがもし赤ちゃんを見つける事が出来たら、それ以外はただの饅頭ってことかな?」 「そうだよ!!あたりまえでしょ!!かんがえなくてもわかるよ!!」 「だったら、僕はまりさが選んだ箱以外の箱に入ってるものを、このフライパンで焼くことにするよ。 美味しい焼き饅頭を作ろう。完成したら皆に食べさせてあげる。 でも、もしまりさが間違えたら……赤ちゃんがフライパンで焼かれることになっちゃうんだけどね」 僕の物騒な発言に、一家の顔が一瞬で青ざめた。 「ゆ!そんなことしないでね!!あかちゃんがかわいそうだよ!!」「ゆっきゅりやめてね!!」 「そうだよねぇ。かわいそうだよねぇ。だから、まりさがちゃんと赤ちゃんが入ってる箱を当てればいいんだ。 そうすれば赤ちゃんは焼かれずに済む…簡単なことだよね、まりさ?」 「ゆゆ…か、かんたんだよ!!まりさにかかれば、こんなのかんたんにあてられるよ!! まりさはあかちゃんのいばしょをあてるから、ほかのまんじゅうはやいちゃってもいいよ!!」 まったく根拠のない自信である。 子供の命より自分の意地を優先するようでは…母親として失格だぞ? 「わかった。じゃあ始めるから…ちょっと待っててね」 僕は箱を適当にシャッフルする。 「ゆむむ…!」 「ゆゆ…おかーしゃんがんばれ!!」 「まりさ!!あかちゃんをたすけてあげてね!!」 透視するつもりなのか、黒い敷居を穴が開くほど見つめている母まりさ。そんなことをしても無駄だというのに… 箱をシャッフルした後、もうひとつある動作を加えて…僕は敷居を取り除いた。 「はい!今度は難しいよ!赤ちゃんがどの箱の中にいるか…ゆっくり当ててね! 正解しないと赤ちゃんが焼かれちゃうから、絶対に当てないとね!」 ここからが本番である。さぁゆっくりども…“死ぬほど”びっくりさせてやるから、覚悟しておけ。 「ゆぐぐ…どこにいるの?あかちゃんはどこにいるの!?」 先ほどと違って、僕以外は箱がシャッフルされる様子を見ていない。これだ、と確信を持って箱を指し示すことなど不可能だ。 さらに、もし間違えれば赤ちゃんが焼かれる、というペナルティ付。赤ちゃんの命が懸かっている。 適当に選んで、ハイ間違いでしたー、では済まされないのだ。 「ゆっぐりぃ!!あかちゃんどこお゛お゛お゛ぉぉぉ!?わからないよおお゛お゛ぉぉぉ!!……ゆゆ?」 完全な運任せ…と思いきや、何かを思いついた母まりさは大声で叫んだ。 「はこのなかのあかちゃん!!おかーさんのこえがきこえたら、おもいっきりはねてね!!」 すると… ガタッ 僕から見て一番右の箱が、一瞬だが振動した。 その一瞬を、母まりさは見逃さなかった。迷わずその箱に飛びついて、ケラケラ笑いながら宣言する。 「げらげら!!まりさのかちだね!!こうすればぜったいにあかちゃんのばしょがわかるよ!!」 「なるほどぉ…その手で来たか、まいったなぁ」 「これであかちゃんはやかれずにすむね!!ゆっくりしないであかちゃんをだしてあげてね!!」 「はいはい、今出すよ…」 僕は母まりさが選んだ箱の中から赤ちゃんまりさを取り出すと、母まりさのほうへ放ってやった。 子供の命を救うことに成功した母まりさは、いつも以上に赤ちゃんまりさに頬ずりして愛情を表現する。 一方赤ちゃんまりさは、どうして自分がここにいるのかわからないようだ。 きょろきょろ周りを見回しても、その疑問は解消されそうにない。 「まけいぬおにーさんは、さっさとのこりのまんじゅうをやいてね!!」 「そしてれいむたちにゆっくりたべさせてね!!」 「ゆっくちまんじゅう!!」「まんじゅうちょーだい!!」 勝ち誇る一家は、赤ちゃんまりさの様子に気づいていない。 そりゃそうだろうな…… その赤ちゃんまりさが、さっき箱に収めた赤ちゃんとは別物だってことにも気づかないんだから… 「そうだね、お兄さんは負けたから…残りの“4匹”は焼くことにするよ」 「さっさとやいてね!!さっさと………ゆ?」 僕は残りの4つの箱を開けて、その中身を手に取る。 箱の中から出てきたのは… 「ゆ!!ここはどこ!?」「くらくてゆっくちできなかったよ!!」 「おにーさんはまりさたちにゆっくちあやまってね!!」「あやまったらゆっきゅりさせてあげるよ!!」 なんと、4匹の赤ちゃんまりさだった。 「すごい!!さっきまでおまんじゅうだったのに!!あかちゃんにかわってるよ!!」 「ゆゆゆ!!おにーさんすごいね!!でもさっさとあかちゃんをはなしてあげてね!!」 先ほどまでは確かに4つの箱には饅頭が入っていた。しかし、今出てきたのは赤ちゃんまりさだ。 さすがの餡子脳でもこの不思議さは理解できるようだ。手品は成功である。 「さあ、美味しい焼き饅頭を作っちゃうぞ~!」 僕は“ただの饅頭”4つを、十分に加熱されたフライパンの上に放った。 「いっぎゃあかかかけrgりげ!!!」 「あづいあづいあづいいだいいぢあいいああいあいあ゛あ゛あ゛!!!!」 精一杯跳びはねて脱出しようとするが、赤ちゃんゆっくりの跳躍力で脱出できるほどこのフライパンは小さくない。 「ゆっ…ゆぎゃああぁぁぁぁぁあぁあ!!!がえじで!!まりざのあがぢゃんがえじでえぇぇぇぇえ!!!」 「れいむのあがぢゃんになんでごどずるのお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛おぉぉぉぉぉ!!!!」 何が起こっているのか即座に理解した母まりさと母れいむは、一目散にフライパンへと向かう。 だがフライパンの放つ熱気に怖気づいたのか、一定の距離をおいて立ち止まってしまった。 「おにいさん゛!!さっざとまでぃざのあがたんがえじえええぇぇえ!!!」 「え?それは無理だよ。だって、君はこいつらの入ってる箱を選ばなかったじゃないか。 それってつまり、こいつらはただの饅頭であって、君の赤ちゃんじゃないって事だろ?」 母まりさは、無駄に知能があるせいか論理的に攻められると反撃できないようだ。 すると今度は、無知で無能な母れいむの出番である。 「ゆ゛!!ぞんなごどばいいがら!!ざっざどあがぢゃんだじげでおおおおおぉぉぉ!!!!」 「でもこれはルールだから。そんなに助けたかったら、お母さんがフライパンに飛び込めばいいじゃないか。 それとも何?フライパンに飛び込まないってことは、助けたいって言うのは口だけなの?口先だけなの?え?どうなの?」 「ゆぐぐぐ…ゆ!こうなったのはまりさのせいだから、まりさがたすけにいけばいいよ!!」 「ゆぶ!?どうじで!!れいむだっでおがーざんでしょ!?れいぶもだじゅげでよ゛!!」 パートナーのご指名である。うろたえるまりさ。震えながらまりさをぐいぐいと押すれいむ。 どうやら赤ちゃんを助けたいというのは口先だけで、本当は2匹とも自分の身の安全が第一らしい。 「までぃざがあかちゃんのはこをえらばないからこうなっだんだぼ!!ゆっぐりぜぎにんどっでね゛っ!!」 「どうじでぞんなごどいうぶぎゅえっ!!?」 言いたいことを言い終える前に、まりさはれいむに弾き飛ばされてしまった。 着地点は…もちろん、フライパンのど真ん中である。 「あんぎゃあ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁあ゛ぁあ゛ぁあ゛ぁ゛あ゛!!!!!!」 「お、おがじゃん!!だじゅげでえぇええぇぇぇぇぇえぇ!!!!」 「あぢゅぐでじんじゃうよおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」 ジューッといい音をたてて焼けていく母まりさと赤ちゃんまりさ4匹。 「どぼじでだずげでぐでないの゛!?」「どぼじでええぇぇぇぇ!!!」 「みでないでだじゅげでおおおおぉぉぉぉ!!!」 「あんびゃあおあろぎあじぇろgじゃえおりgjぽあえいrgぱ!!!!」 「ゆ…ゆっくりがんばってでてきてね゛!!」 子供たちの叫びに、母れいむはただ見つめているだけだ。 自ら助けに行こうとしない。それは残された子供を守るために自分がいなくなってはいけないという高尚な判断なのか… それとも、自分が母まりさや赤ちゃんまりさのようになりたくないだけなのか……たぶん後者だろうな。 「あ…ばば…だじゅ…げで……!」 「じ、じに……だぐ……だいびょ…!!」 「うーん、良い匂い♪」 そんなことをしているうちに、まりさ計5匹の底面がこんがり焼きあがった。あまりの激痛に全員気絶している。 これ以上焼くと命に関わる。今回はこの辺で勘弁してやろう。 広く知られているように、ゆっくりは底面の組織をやられると自力で跳ね回る事が出来ない。 こいつらは、後で自然に放って観察してやろう。面白いことになりそうだから。 香ばしい匂いを放つゆっくりを、僕は袋につめて適当に押入れに放り込んでおいた。 「おにーさんとはゆっくりできないよ!!れいむたちはおうちかえるね!!」 「ゆっくちかえるよ!!」「ゆっきゅりかえるにょ!!」 残っているのは、母れいむと子れいむ5匹に子まりさ1匹である。 あんなことを言っているが無視していいだろう。どうせ自力でドアを開けられないのだから。 それより…僕は、知能の低いゆっくりに対して試したい事がひとつある。今回、それを試してみようと思う。 「へぇー、家族を放っておいて帰っちゃうの?酷いねぇ…全然ゆっくり出来ない人だねぇ…」 底面が完全に焦げているまりさたちを指差して、くすくす笑いながら問いかける。 ゆっくりには“自分は一番ゆっくりしてる”というプライドがあるので、すぐに突っかかってくる。 「ゆぐぐ!!れいむはゆっくりしてるよ!!しつれいなこといわないでね!!」 「ふぅ…はいはいわかったよ。そんなにゆっくりしてるなら一人で帰れば?子供たちはお兄さんが食べちゃうから」 僕は適当に赤ちゃんれいむを掴みあげると、口の中に放り込もうとする。 本当に食べるつもりはないのだが、こうでもしないと必死になってくれないだろうから。 「れいむはたでものじゃないよぉ!!ゆっくちだべないでええぇええぇぇ!!!」 「おにーさん!!あかちゃんをはなしてね!!ゆっくりたすけてあげてね!!」 ぽよんぽよんと、体当たりしてくる母れいむ。もちろん痛くない。むしろ気持ちいい。 そんな母れいむの頭を僕はむんずと掴んで、ぐっと握り締める。 「あ?『はなしてね』?『たすけてあげてね』?…言葉遣いに気をつけろよ」 「いだだだだ!!!いだいだいだいだいだいだいだいだいだいいいいぃぃぃ!!!!」 「『放してあげてください』『助けてください』だろ?言ってごらん」 「ゆびゃああぁぁぁぁあぁ!!!たずげでぐだざいいいぃぃぃい!!!! れいぶのあがだんんん!!!!はなじであべでぐだだいいいいいぃぃぃぃ!!!!」 もう発音が滅茶苦茶で半分聞き取れないが、それらしいことは言ってるので助けてやろう。 このれいむは無知で無能だと思っていたんだが、やれば出来る子じゃないか。 「よしわかった。でもひとつだけ条件がある」 僕は手に持っていた赤ちゃんれいむを放してやる。 解放された赤ちゃんれいむは、他の赤ちゃんゆっくりたちと同じように部屋の隅に跳ねていってガクガク震え始めた。 「お前、子供を全員食べろ。そしたら子供たちは助けてあげよう」 「……ゆ?」 僕の言葉を、ゆっくりと理解していく。 部屋の隅にいる自分の子供と、僕の顔とを…何度も何度も見比べて。 「もう一度言う。子供を全員食べろ。そしたら子供たちは助けてやる」 「……ゆゆゆ?ほんとう?あかちゃんたべたらあかちゃんをたすけてくれるの!?」 「本当だ。お兄さんは嘘をつかないよ」 …母れいむの視線が一箇所に定まった。 もちろん、その視線の先にいるのは…6匹の赤ちゃんゆっくりである。 「……ゆ!!ゆっくりたべるよ!!あかちゃんたべてあかちゃんをたすけるよ!!」 その動きに迷いはなかった。そして、やはり無知で無能だった。 『赤ちゃんを助けるために、赤ちゃんを全員食べる』…なんら矛盾を感じないとは、正直言って驚きである。 「おかーしゃん!!ごわかっだぶゆぎゅうううぅぅぅ!!!だだだだべべべべべなななないいでええぇぇぇえ!!!??」 一匹目の犠牲者は赤ちゃんれいむ。 母れいむと一緒にゆっくりしようとして飛びついたところを、ガブリと噛み付かれてしまった。 「むーしゃむーしゃ…みんながまんしてね!!おかーさんがたすけてあげるからね!!」 「おがーしゃんだべないでえ゛え゛え゛ぇぇえ゛ぇぇぇえ゛!!!」 「れいむだぢはだべものじゃないよお゛お゛お゛お゛ぉぉぉぉ!!!!」 逃げ惑う子供たちと、それを追いかける母れいむ。子供たちは命が懸かっているので必死に逃げる。 しかし、どんなに必死になったところで、その体格差は覆せない。 「ゆがあああああああぁぁぁぁ!!!やべ…ぶびゅっ!!!」 「がまんしてね!!みんなをたべればみんなたすかるんだよ!!!」 「いぎゃあああぁぁあぁ!!!ゆっぐでぃでびば…ぶへっ!?!?」 「どぼぢで…どぼぢでごんにゃごどずるぶゆえ゛!!??」 母れいむの食事が終わったのは、それから5分後だった。 口の周りを餡子で汚した母れいむが、僕のもとに駆け寄ってきて宣言する。 「やくそくだよ!!こどもたちをぜんいんたべたから、こどもたちをたすけてあげてね!!」 「うん、いいよ」 ……… 数秒の静寂。僕はニコニコしながら、母れいむの顔を見つめる。 「…なにしてるの!!さっさとあかちゃんをたすけてあげてね!!やくそくしたよ!!」 「うん、だからいいよって言ってるでしょ」 晴れやかな顔になった母れいむは、僕が子供を助けるのを待っている。 しかし、動こうとしない僕を見て母れいむは顔を真っ赤にして激怒した。 「…いいかげんにしてよね!!ゆっくりあかちゃんたすけてくれないとおこるよ!!」 「うん、だからさっさと赤ちゃん連れて帰ってよ」 僕は玄関の扉を開け放って、母れいむに呼びかけた。 「ほら、助けてやるって約束だもん。どうぞ連れて帰ってくださいよ。そこにいたでしょ?君の子供」 「ゆ?なにいってるの!!あかちゃんはここにいないよ!!ゆっくりみればわかるでしょ!!」 「そうだね。じゃあ君の赤ちゃんはどこに行っちゃったの?」 これだけ言っても、まだわからないのだろうか。 僕の提示した条件、自分のしたこと、そして…その結果。僅か数分前の出来事だというのに… 「君は…さっきまで“何を”食べてたんだっけ?」 母れいむの口についた餡子を指でとって、じっくりと見せ付ける。 「君は…赤ちゃんを助けるために“何を”食べてたんだっけ?」 「ゆ…ゆゆゆ…!?」 その餡子を口の中に突っ込んで、無理やり飲み込ませる。 「君は…“何を”助けるために赤ちゃんを食べてたんだっけ?」 「ゆびあやあやあいあいあおあお゛あお゛あお゛あお゛あ゛あ゛おあおあ゛おあお゛あお゛あ゛あお゛!!!???」 全てを理解した母れいむは、狂ったように跳びはねて壁に体当たりする。 「そうそう!赤ちゃんは君のお腹の中にいるからね!ゆっくり助けてあげてね!!」 「ゆぎゃあぁあぁぁああぁぁ!!!どうじでどうぢせどうじじぇああぁぁぁああぁぁ!!!!」 「ふふふ!急いで吐き出せばまだ間に合うかもしれないね!!」 おそらく間に合わないだろう。既に母れいむの餡子と混じってしまったに違いない。 だが、そんなことも分からない母れいむは何とか子供を助け出そうと自分の身体を痛めつける。 「ゆぶ!!ゆべべべべべえええぇえっぇぇえぇ!!!」 口から吐き出すのは、餡子ばかり。赤ちゃんゆっくりは一匹も出てこない。 母れいむは餡子の山を崩して必死に子供を探すが、やはりそれらしい姿は見つからなかった。 「どうしでぇえぇぇえ!!!どうしでででごないのおおおぉぉぉぉ!!!??」 「そりゃあ、君が美味しそうに食べちまったからな。むーしゃむーしゃしあわせー♪って」 「ぐぎゃああぁぁっぁあぁ!!!あがだんででぎでええぇぇぇぇえええ!!もうだべだりじないがらああぁぁぁあ!!!」 何度も何度も、身体の皮が破れても壁への体当たりを止めない母れいむ。 無知で無能なこいつも、母性だけは一人前のようだ。 「ゆぶえ!!ゆべべべべ…!!」 体力も尽きかけていた頃、母れいむの口からあるものが出てきた。 それは…赤ちゃんれいむのリボン。そして、赤ちゃんまりさの帽子だった。 餡子化に時間のかかる髪飾りだけが、餡子にならずに体内に残っていたのだ。 「おー、飾りだけは無事だったみたいだな。どうする?これだけ持って帰る?」 くすくす笑いながら問いかける。 母れいむは、もう理解したようだった。自分の身体の中に、もう赤ちゃん達は残っていないということを。 口から出てきたこの髪飾りが、何よりの証拠である。 「ゆ゛…あがぢゃん゛…どうしで…?」 そして、母れいむは理解したようだった。 …自分が、二度とゆっくりできないということを。 「ゆっがあああぁぁぁあぁぇぇぁぁぁぁぁあゆッぐりじねえああぁあぁぁぁぁぁぁあ!!!!」 狂った母れいむは、今までにない叫びを上げながら暴れ始めた。 壁に体当たり、花瓶に体当たり、本棚に体当たり。それでも狂気は止まらない。 そして、血走った目で僕を見つけた母れいむは… 「ゆっぐでぃじねえ゛え゛え゛ぇぇぇえ゛ぇえ゛ぁああ゛あぁぁぁ゛!!!!」 ゆっくりとは思えないスピード、ゆっくりとは思えない跳躍力で僕に飛びつき…左腕に噛み付いた。 痛みはない。ゆっくりの力など、たかが知れている。 「っしねぇ!!じねええぇぇ!!!ゆっぐりじねえ゛え゛ええ゛ぇぇぇぇぇええ゛え゛ぇ!!!ぶぎゅえっ!?」 母れいむを左腕から引き剥がす。そして… 「…もう、お前はいらない」 口に腕をねじ込んで、背中の皮を掴んでぐいっと一回転。 背中の皮や餡子が口から出てきて、代わりに顔面や毛髪が口の中に吸い込まれていく。 「あびゃばyばyばあおあおあおあおえろpgかえぽrgこあけpご……!!??」 “裏返し”になった母れいむは、ぼとぼとと中身の餡子を全て床の上に撒き散らし…皮だけとなって絶命した。 その餡子の山をスプーンでかき回すと、残っていた髪飾りが出てきた。 さっきの分も合わせると、合計で6つ。食われた赤ちゃんゆっくりの数と一致する。 「あーあ…かわいそうに。お母さんがバカだったせいで…」 そんな同情の声も、赤ちゃんゆっくりにはもう届かない。 僕は餡子を一口だけ味見すると、散らかった部屋を片付け始めた。 「さて!」 餡子の山を始末し終えて、押入れを開く。 底面の焼け焦げたまりさたちが入った袋を担いで、僕はもう一仕事始めることにした。 「お前らには、お兄さんが直々に自然の厳しさを教えてやるぞ!!」 袋の中のゆっくりまりさたちの震えが、しっかりと伝わってくる。 きっとこいつらなら、もっと面白いものを見せてくれるに違いない… そう確信して、僕はゆっくりの生息地である草原へと向かった。 (終) あとがき スレに自分が書き込んだネタと、他の人が書いたネタも使わせてもらいました。 ちなみに、お兄さんの手品はタネのない手品です。 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3779.html
俺設定が結構含まれています、注意してご覧ください 後ゆっくり虐待といえる部分がかなり少ないです、投棄所に行くほどではないと思いますが虐待目的で読むにはお勧めしません。 そのころ、人間は今ほど発達した文明を持っていなかった。 人間は皆、毛皮そのものといった服を着て男は山で狩りをし、女は木の実を取って暮らす、都市と呼べるものは無く、数十人単位の集落の集まりが山や森の間に転々としている、縄文時代、そんな時代だ。 ゆっくりが何時ごろから現れたのかははっきりとわからない、ただ、このころにはかなりの数のゆっくりが人間の集落のそばに生息していたらしい。 「おじさん!おじさん!!あっちにしかさんがなんひきかあつまってたよ!!かりをするならあっちにいくといいよ!!」 今であれば猟師が狩りの最中にゆっくりを見れば邪魔だから追い払うか、殺してしまうだろうがこのころはそうではなかった。 人間は山や森の動物を狩って食べていたがゆっくりはその生首そのもののフォルムと人語を喋ることから人間は彼女らを食べる対象だとは思っていなかった。 ほとんどの人間は(自覚は無いかもしれないが)ゆっくりを妖精や、神の使いの一種のようなものとして見ており、邪険に扱うようなことは無かった。 ゆっくりは人間をどう見ていたかはわからないが、人間の狩りが成功すればいつもなら自分達が食べれないものが手に入ることがあるので人間の邪魔をせず、 むしろ人間に獲物や木の実の情報を与え、その後を付いて行き、静かに見守るのが常だった。人間達も妖精たちが見守っていてくれると信じ、狩りに精を出す、 そして狩りが成功すればその成果の一部を「自然へのお返し」として残して行き、それらはゆっくりや他の動物の餌にもなっていた。 ゆっくりと人は、お互い相手に対して思っている感情は違っても相手を殺戮したり、虐待したり、憎しみあったりということはほとんど無かった。 そんな時代が数千年間続いたころ、人間達の生活に大きな変化が起きた。 遥か遠く、海のかなたから流れ着いた男が帰る手段が無くなり、ある集落への移住を決めた。 集落では男は皆狩りに行く決まりだったが、その男は狩りに行こうともせず、集落の人間に沼地や湿地の場所を聞きだすと変な粒を蒔き、草をはやしてそれをいじくっている。 集落の人間たちは狩りをしないこの男をうっとおしくも思ったが、言葉もほとんど通じないし、自分達の暮らしにまだ慣れていないんだろうと思うだけだった。 そして、秋が訪れた。 当時の人々には実りの秋なんて言葉があったかどうかはわからないが、この年は不作だった。 いつも人々が採集していた木の実は数が少なく、鹿などの動物を狩りに行ってももほとんど成果が上がらなかったのである。 「今日も成果はなしか・・・」 そうつぶやきながら集落の男達が帰ってきた。 獲物が取れなかったことを集落の皆に伝えなければいけないと思うと心が痛む・・・ そのとき、集落のはずれのほうから今まで嗅いだ事のない良い匂いがしてきた。 あの男だ、あの男が焚き火のそばでよくわからない白いものと黒っぽいものをうまそうに食べている。 こちらに気づいた男が身振り手振り交じりで訴えかけてきた 「おなかすいているんだろう?きみたちも食べるかい?」 危険で、成果の出ないときもある鹿を狩るのはもう古い、これからは確実に成果を出せて、危険も少ない稲作とゆっくり狩りが自分の故郷の生活だ。 そうその男は行った。 「おじざんやべでえぇぇぇぇ!!」 「どぉじでごんなこどずるのおぉぉぉぉお!?!?」 「でいぶのあがじゃんがえじでぇぇぇえ!!」 「おじさん!きょうはあっちにしかさんがいっぱいいたよ!!」と、話しかけようとしたそのまりさは頭をつかまれたかと思うと有無を言う前にかごの中に放り込まれた。 あるゆっくりは巣の中で寝ているといきなり木の棒を突き刺されて、痙攣しながら引きずり出された。 あるれいむは目の前で子供を返せと怒鳴っていると子供と一緒にくしで刺された、彼女は人間の胃に収まっても子供と一緒だろう。 精霊崇拝とか、神秘主義による、自然の恵みに感謝する。そんな考えがが宗教といえた彼らにとって、つい最近まで崇拝の対象といえたゆっくりも一口その味と捕獲の容易さを知れば単なる獲物に変わらなかった。 それ以来、この集落は急速な発展を遂げる。 今まで不安定な狩りに頼っていたのが、より安定した稲作を覚え、今までに無い「ゆっくり」という嗜好品を得たこの集落は急発展し、周囲の集落を吸収して行き、ついに大国となっていった。 もう、彼らの中に過去にゆっくりと共存していたことを知るものはいなかった。 ゆっくりは人間より早く共存の歴史を忘れてしまった、だが、ゆっくりの特製の一つ、あんこを通じ記憶を遺伝して行くという特徴からか 人間に裏切られた怒りや悲しみだけは数千年たっても忘れることなく、今日も一部のゆっくりがその感情に突き動かされて人間に対し挑発をし、物を奪おうとする。 それはゆっくり個人にとって見ればなんとなくな行為であっても。数千年にわたる悲しみと怒りに突き動かされれ人間に復習しようとしているのだ。 それが私の「ゆっくりが明らかに勝ち目のない人間にけんかを売る」「人間を馬鹿にしたようなことしかしない」理由の考えだ。 ここまでレポートを書いて、私はパソコンの電源を切った。 ゆっくりと人間がお互いをどのように思っていたのか、今でははっきりとはわからない。 でもあの時代にはお互い、意思の疎通も出来たおかげである程度の信頼と共存関係が成り立っていた。 そんな相手を片方の都合だけで関係をぶち壊し、数千年にわたる禍根を残す・・・人間とはなんと愚かな種族なのだろうか? あとがき 最近シヴィラゼーションにはまって(はめられて)文明の発達とか、そういうものに興味が出てきました。 なにぶん久しぶりのSSなのでいつもに輪をかけて読みにくかったり、寝た被りをしていたりするかもしれませんが、そこには目をつぶってください・・・ 最近虐待ネタが浮かんでこないので、次はドロワSSだ!! とか意気込んでもエロなんてかけません。 3月8日 2011 セイン
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/494.html
このゆっくりれてぃは完全に俺設定全開です 人里から遠く離れた山の中、この中にあるゆっくり達の群れがある 基本群れを組むのは被捕食種のみだ 捕食種が徒党を組んでいる場合はそれは家族か大規模なえさ場を発見したときぐらいである そしておそらく唯一であろう被捕食種と同じ群れで生活をする捕食種がある それがゆっくりれてぃだ ゆっくりれてぃ 発見数が少ないため未だに詳しいことは分かっていない おそらく人目を避けて山奥とかに生息するからだろうといわれている ただ、成長すれば巨大まりさとかドスまりさとかを超える大きさになりおそらく全ゆっくり一であるということ また餡子容量の多さからか知能もゆっくりとしては高めであることがあげられる 加工場では生産するゆっくり餡子の保管、熟成用に数体のれてぃを飼っている 常に餡子を抜き飢餓状態にしておくので目の前のゆっくりを素早く捕食する その勢いからゆゆこ以上のブラックホールというあだ名まで付いているが野生の彼女は本来はとても心優しい存在だ まあ、そんな存在じゃないと被捕食種と同じ群れに入ることなんてできないだろうが この群れは30匹前後のれいむ種とまりさ種、そしてれてぃが一匹で構成されている むろん、れいむ達もれてぃが捕食種であることは当然知っている 「ゆゆっ!れてぃ、きょうもゆっくりしていってね!!」 「きょうもくろまく~」 だが、空腹時以外はとてもおとなしい、頭の上で子れいむがきゃっきゃと遊ぶのをほほえましそうに眺めている れてぃが被捕食種と群れを組める理由の一つは他のれみりゃやふらんに比べて雑食性が強いことがあげられる 常にゆっくりを食べなくてもれいむたちと同じえさで満足できるのだ 体が大きい分当然餌の消費量は多いがれてぃがいればそれ以上の餌を確保できることが多い 「ゆゆっ!きょうもゆっくりかりにいくよ!!」 「れてぃ、きょうもたのむんだぜ!!」 「くろまくらしくくちのなかにはいってね~」 そう、れてぃはゆっくり達をその大きな口の中に入れて運ぶのだ ちなみに間違って食べてしまうことはない、れてぃは同じ群れのゆっくりは家族のように思っている また大きい分移動速度も速いため遠くまで移動でき、餌不足に悩まされにくい さらに周囲の群れのゆっくりもれてぃが捕食してしまうためさらに餌が不足しにくいという完璧さだ 「ゆゆっ!!きょうはここでえさをとるよ!!れてぃ、ゆっくりおろしてね!!」 「くろまく~」 れてぃが舌をのばし、その上をゆっくり達が這い出てくる それはまさにゆっくりキャリアー、作者の趣味にあわせればゆっくり空母だ れてぃも餌を捕りに行く 「ゆっ、このきのみはとってもくろまく~」 れいむやまりさには手も足も出ないような高さの木の実だって舌をのばすだけで簡単に取れる 「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせー!!」 見るとすぐ足もとでゆっくりれいむの一家が花を食べていた もう動物型出産ができそうな大きさのお母さんれいむが一匹 蔦が生えたら死んでしまいそうだが子供は何とか作れそうな大きさの子れいむが三匹だ 見たところれてぃには気がついていないようだ れてぃはゆっくりから見ると山のようにでかいため警戒心の薄いゆっくりは知らず知らずのうちにれてぃの足元まで来ることが多い 本来なら群れのれてぃ以外のれてぃには近づかないのだがいつのまにか近づいてくることが多いのだ そういえばさいきんゆっくりたべてなかったな そんなことを考えたれてぃ、今日のおやつはこれにしよう 「くろまく~」 全ゆっくり最長の舌を器用に使い四匹のゆっくりを平らげた 「ゆゆっ!?!?」 「まっくらでなにもみえないよ!!」 「おかあさぁーん!!」 「ゆゆっ!おかあさんはここにいるよ!ゆっくりしんぱいしないでぐぼあ゛ぁぁ!!」 「おか゛あ゛さ゛ん゛がぁぁぁ!!」 うん、ゆっくりはおいしい、いつもこんなもの食べてたら甘すぎてふとましくなっちゃうけどたまにはいいか あまったゆっくりは群れの皆のおやつにしよう れてぃはのこった子れいむたちをゆっくり潰しながら合流場所に向かっていった 「ゆゆっ!れてぃ、ここだよ!!ゆっくりきてね!!」 「ゆっくりくろまく~」 「ゆゆっ、れてぃ、はにあんこがついてるぜ?まさかまたゆっくりをたべたんだぜ?」 「くろまく~」 「ゆゆっ、あとでれいむたちに分けてくれるの!?ゆっくりできるれてぃはずっとむれでゆっくりしていってね!!」 れてぃの群れにいるゆっくりはれてぃのゆっくり食いを当然のことと受け止めている もちろん群れの仲間を食べることは許されない だがれてぃの食事を分けてもらうことには共食いとはまた違うカテゴリに含まれるらしい れてぃの数は少ないがれてぃと同じ群れに入りたがるゆっくりは多い 大量の餌が確保できるうえにれてぃが他の捕食種から守ってくれるからだ 全ゆっくり最高の表皮を持つれてぃはふらんの攻撃でもダメージを与えることは難しい 逆にれみりゃやふらん程度はぺろりと食べてしまう まさにれてぃはゆっくりの保護者とも守護神ともいえる存在だ だが、それが長く続くかどうかは分からない もし、不作が続いて周囲の森の食料が少なくなったら さらに他の群れのゆっくりまでいなくなったら そして群れのリーダーが餌のある場所まで群れの引っ越しを行うことができなければ この群れのゆっくりはすべてれてぃの腹の中に入ることになるのだ 続く どうも、セインと申します 自分の脳内のゆっくりれてぃ像を描いてみました これが一般的な設定に… とは言いませんが、これを見た人たちがさらに詳しいれてぃのいろいろな設定を作ってくれればうれしいです ゆっくりれてぃの生活 8月2日 0040 セイン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/736.html
注意書き これはゆっくり虐待というよりゆっくりとゆっくりの戦いです 当然ながら虐められないゆっくりがいます(虐めるわけじゃないし) ほんの少し過去作 ドスまりさの誕生 番外編1に関係する単語があったりしますが重要度はゼロに近いので読んだことがある人は苦笑いしてください こんかいゆっくり達が非常に頭がいい(人間並みに道具を使って文明を作ってたりする)のでそういうのが嫌いな人も読むときは注意してください 元ネタはフリーゲームの「KBAF」WW2が好きな人はやってみるといいかも では本編行きます これは、遠いところのお話 紫にスキマで異星へ追放されたゆっくりれいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、みょん、ちぇん れいむとまりさに別れた戦いは500年も続きついに星中を巻き込んだ一大戦争になっていた… 「よわいゆっくりはつよいゆっくりをゆっくりさせるためにみをぎせいにするべきである」 あるゆっくりまりさの一言から500年にわたるこの戦争は始まった 最初はただの群れ同士の争いに近かった それこそアインシュタインの第四次世界大戦よろしく体当たりと噛みつきだけの戦いだった だが、お互いの勢力が援軍を求め一つの大陸全土を巻き込んだ大戦争になった そして敗れたまりさ軍は木で作ったいかだや自分の帽子などに乗り新天地を目指して旅立っていった これを第一次ゆっくり大戦と言う その数年後、新大陸に渡ったまりさ軍が新大陸を制圧、先住ゆっくりを支配し、ゆっくりしていたれいむたちを奇襲してきた まりさたちは見たこともない巨大な船で海を渡り、見たこともない乗り物に乗って空を飛んでいた れいむたちはこのまま何もできずに全滅するかに思われた だが、ぼうめいしてきたまりさの一団により新兵器の情報が伝えられただちにまりさ軍に対抗するための兵器を量産、なんとか硬直状態にまで持ち込んだ そしてこの星は 「よわきゆっくりはつよきゆっくりにしたがう」 まりさ軍と 「やわきものはつよくなり、つよきものはそれをたすけみんないっしょにゆっくりする」 れいむ軍との戦闘になった 他のありす、ぱちゅりー、みょん、ちぇんなどはそれぞれ思想に共感した方の軍につき、れいむやまりさも自分の種の思想に反発して裏切るものもいる 俗にいう仲間思いのゆっくりまりさなどはその代表でれいむ軍の英雄として表彰されたまりさ種は意外と多い いま、ゆっくりれいむは焦っていた 命令で隊長と友人、自分の三匹で偵察飛行に出た途中で6機の敵機と遭遇、友人は撃墜され、隊長も自分を狙っていた敵を落とした直後に撃墜されてしまった 敵はほとんど追撃らしい追撃をしてこなかったが愛機は右翼をやられ燃料餡子が漏れ出てしまっている このゆっくりれいむがのる「ゆしきかんじょうせんとうき にじゅういちがた」はれいむ軍の誇る最新鋭戦闘機だ この飛行機、見ただけでは人間には気づかないがゆっくりの一種である ゆっくりの皮でできた外郭を持ち、餡子を燃料としたゆっくりエンジンでプロペラを回して飛ぶ ゆっくりの一種というよりゆっくりの生体パーツを使った生体兵器とでもいうべきか 「このままじゃおちちゃうよ!もうやだ!!ぼかんかえる!!」 れいむは舌で操縦桿のスロットルレバーを押し込み、全速力で母艦に向かっていた 「ゆっ!!みえたよ!!これでゆっくりできるよ!!」 味方の艦隊が見えた、その中央に帰るべき母艦がある 正規空母「ぐれいとれいむ」れいむ軍の主力であり、象徴でもあるゆっくり空母だ だがぐれいとれいむもまわりの味方の船も対空砲で弾幕を張っている、対空戦闘中なのだ だがそんな事をれいむは知らない、少しでも早く母艦に帰ってゆっくりしたい、早くしないと餡子切れで海に落ちてしまう…れいむはそれしか頭にない 実際は右翼のタンクしか被弾していないので節約すれば二時間程飛べる、海に落ちてもタンクが空なら一時間は浮いていられるので味方の救助を待てる だがこの若いれいむはとにかくゆっくりしたいことしか頭になかった ぐれーとれいむの後ろにつき、着艦準備する 甲板上で何匹かのゆっくりが「着艦不可、やり直せ」の赤い旗をくちにくわえて振っているが知ったこっちゃない、こっちは被弾して燃料がないんだ、ゆっくりさせろ!! その瞬間ぐれーとれいむが急に方向を変えた 「なんで向きかえちゃうのぉ!?」 急速回頭中の船には着艦できない、やり直すしかない しかしもう一度やり直すという現実がれいむをさらに焦らせた 「むきゅう!おもかじいっぱいよ!!」 「ゆっくり!!おもかじいっぱいゆっくりー!!」 ぐれーとれいむの艦長である老ぱちゅりーは今回20発目の爆弾を回避しながらも内心は不安だった ここ最近味方が完璧なタイミングで敵の攻撃を受けるのだ たとえば空母の発艦、着艦時 艦隊が乱れた陣形を組みなおすために一時停船している時など完璧なタイミングで攻撃され、大きな被害を出している 味方の情報が敵に筒抜けなのだ 常に敵の潜水ゆっくりに見張られているのかもしれない 新型偵察機を有する敵基地が近くに隠されているのかもしれない 今回も敵基地を攻撃して第二次攻撃隊を発進させようとしたら敵の奇襲だ こんな状態で被弾したら甲板上の第二次攻撃隊の爆弾ゆっくりや魚雷ゆっくりに誘爆してしまう 直掩機も護衛艦も対空砲も頑張っている 戻ってきた第一次攻撃隊も戦闘機隊は少ない弾餡子、燃料餡子で頑張っている じつは毎年出てくる裏切り者、まりさ軍の裏切り者の中にスパイがいるのだがれいむ軍のなかにそれに気づくものはいなかった 「ぐれーとれいむ、ほんかんのそんがいは?」 「ゆっくり!しきんだんにはつですこししんすいがあるけどだいじょうぶだよ!!」 「ごめんなさい!かえったらしっかりしゅうりしてもらうわ!!」 「みぎほうこうさんじゅうど!ぎょらいがゆっくりしないでせっきん!!」 見張りゆっくりが叫んだ 「むきゅん!!おもかじいっぱい!!」 ゆっくり飛行機は意思を持たず、口と舌、足部分の圧力で動く生体部品の集まりだが艦船は巨大ゆっくりだ、艦橋内部に顔があり艦長の指示に従う エンジンゆっくり、発電ゆっくりなどと一体となっているため複数のゆっくりの集合体といってもいい それぞれが意思を持ちながらも艦本体のゆっくりの指示に忠実に従う、パソコンに接続されたプリンターのようなやつらだ いま機関室では機関科ゆっくり達がエンジンゆっくりの口の中にエンジンゆっくり用の餌をせっせと放り込んでいる 全力運転中のエンジンゆっくりは燃費が非常に悪い、疲れる仕事だが文句を言うゆっくりはいない、ここで自分が手を抜けばみんなゆっくりできなくなることを知っているのだ それゆえにゆっくり機関科は優秀なゆっくりしかなれない 「どお゛じでに゛げる゛の゛ぉ!!」 れいむは着艦失敗→後ろに移動→着艦失敗のループを繰り返していた 「あぶないよ!!ゆっくりしないでぼかんからはなれてね!!」 本日三機目の敵を撃墜したベテランのれいむが無線で呼びかける 「あぶないよ!!どおしてこっちにくるの!!はやくはなれてね!!」 甲板上のゆっくり達がみんなで赤い旗を振る だがそのどれもがれいむの耳には入らなかった 「てっきちょくじょう!きゅうこうか!!」 「むきゅん!とりかじゆっくり!!」 「ゆっへっへ、もうにがさないんだぜ!」 SBDゆっくどれすのパイロットである俺まりさは命中を確信していた いままでどんな訓練でも百発百中だった、実践は初めてだが今回も命中させる このために味方に先に突入させ弾幕の薄いところを狙ったのだ 「ゆゆっ!てきがうごくんだぜ!?」 まりさは一つの誤算をしていた 訓練標的は大きなネット、当然動かない。だが敵は30ゆっくりノット超と言うスピードで左右に動いているのだ まずい まりさは思った、このままでは当たらない 選択肢はこのまま爆弾を投下するか、投下しないで上昇してまた爆撃をするかだが訓練のつもりで降下しすぎた、今から上昇しても海面に突っ込むかもしれない 迷わずまりさは爆弾投下のスイッチを押した 「ゆっくりしね!!」 ゆっくどれすから投下されたゆっくり爆弾は自分の最初で最後の仕事をするために空を舞った、だが目の前に広がるのは青い海のみ、敵の船はどこにも見えない 「どおじでだれもいないのお!!」 ゆっくり爆弾とはその名の通り爆弾のゆっくりである 頭部に安全ピンがありそのピンが抜かれた状態で頭部に衝撃を受けると体内に詰まった発火餡子が爆発するのだ ゆっくり爆弾やゆっくり魚雷は自分が爆発することで仲間がゆっくりできるサポートすることを至上の喜びとする 逆に敵に命中できないのは何よりも悲しいことなのだ 毎日自分を磨いてくれた整備まりさ 「ぜったいどまんなかにぶつけてやるぜ」といった搭乗員まりさ 訓練でネットのど真ん中に突っ込むたびに褒めてくれた偉い幹部まりさたち 彼らのために死ぬ、その喜びがいま絶望に変わろうとしているのだ なんとか足に当たる安定板を動かして軌道修正をしようとする、だがそんなことではほんの数度しか落下コースは変わらない 「ごべんね゛びん゛な゛ぁ!ゆっく゛り゛はや゛く゛だたずだっだよ!!」 最期にそう叫んで海面に激突する、その衝撃で一気に弾け飛んだ 爆弾を落としたまりさ機は中途半端に高度を上げたため護衛の巡洋艦の対空砲火で撃ち落とされた せめて爆弾を投下しないで機体を引き起こせば…しばらく低空飛行を続ければ撃墜されないですんだかもしれない まだれいむの悪夢は終わらない、自分はただ母艦でゆっくりしたいのに、もう燃料餡子はないのに、なんでゆっくりできないんだ 低高度でふらふらとんでいる自分を狙っていた敵機を味方が撃墜した、だがそれに気づかないれいむは自分のすぐそばで海面に突っ込む敵機を見てさらにパニックになる 「も゛う゛い゛や゛だぁ!ゆ゛っく゛り゛さ゛せ゛て゛ぇ!!」 その時上空から三機の敵機が急降下してきた これはかわしきれるかどうかわからない、見張り員が悲鳴を上げた だがぱちゅりーはあきらめない まりさ軍から体が弱いと追い出された自分を拾ってくれたれいむ軍 元まりさ軍である自分の能力を認め、ぐれーとれいむの艦長にしてくれた指令ゆっくり そんな自分を信じて今まで一緒に戦ってきた1000匹以上のゆっくり達 彼女たちは今もゆっくりがんを空に向けている そして自分の命令をいつも聞いてくれたぐれーとれいむ 彼女たちのために、諦めるわけにはいかなかった 「むきゅ~ん!おもかじいっぱーい!!」 この日、れいむ軍の主力であり、象徴でもあった空母ぐれーとれいむは沈没した 原因は何度も着艦しようとしたれいむが着艦に失敗、そのまま甲板上の味方機に突っ込んでしまい大爆発を起こしてしまったのだ 艦長である老ぱちゅりーは最期まで環境のゆっくりの顔とゆっくりしていたという あとがき+少し補足 ゆっくり魚雷は足がスクリューになったゆっくり爆弾です、力尽きるか敵に命中すると爆発します 艦橋内のゆっくりの顔はマザー2のダンジョン男の顔のようなものを想像してください この星のゆっくりは過去に幻想郷で大量発生したゆっくりの一部を紫が間引きしようとしたときに えーりんが実験に使いたいと言ったため太陽系外のゆっくり以上の動物のいない地球型惑星に移した者の子孫です この星では軽く千年近く時間が経過してますが姫様の能力で時間を早くしているだけなので幻想郷では一年ぐらいしか経っていません 数万年、もしくは数億年分の時間をかけて進化の行く末を見る実験なのでえーりんは記録は取りますが干渉はしません ゆっくりに戦艦や飛行機の技術を教えたのは紫のきまぐれです 他に質問等があればスレとかで見たら答えます 続きは…未定です、虐めスレとは少し路線が異なると思うので「もう書くなバカ」とか言われたら続きは書きません でもそういうのがなければ気分しだいで続きを書くと思います 8月19日 1812 セイン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1272.html
「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!!!」 耳障りな万能の挨拶が、霧のかかった湖の畔にこだまする。 悪魔の棲む館の近所に集う饅頭たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で元気よく飛び跳ねている。 汚れを知らない心身を包むのは肌色の皮。 生まれつき被っているZUN帽は落とさないように、体内に詰まっている黒い餡子は吐き出さないように、ゆっくりと過ごしていくのが彼ら(彼女ら?)のたしなみ。 もちろん、天敵に追いかけられて必死こいて逃げ回るなどと言った面白、否、可哀想なゆっくりなど存在していよう筈も無い。 だがそれもたった今までの話。 元気に跳び回るゆっくり二匹の傍の茂みには、まさにその天敵が潜んでいたのである。 「ゆっくりたのしいね!!!」 「ゆっくりたのしいよ!!!」 「ぎゃおー!たーべちゃうぞー!!」 天敵が茂みから飛び出した瞬間、それまで太陽にも負けんばかりの笑顔だった二匹の顔が凍りついた。 ゆっくりれみりゃ。略してゆっくりゃと呼ばれるそれは、他のゆっくりとは明確な差異があった。 基本的にゆっくり達は人間の生首に似た生物である。 このゆっくりゃもその例に漏れず生首っぽい外見なのだが、一組の蝙蝠に似た翼を生やしている。 他のゆっくりには無い飛行能力も多少有しており、最大の特徴はゆっくりを好んで捕食する事である。 「ゆっゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりさせていってね!!!」 ゆっくり二匹もゆっくりゃの危険性を本能的に知っているのか、必死で命乞いを始めた。 大量の涙で頬をふやけさせた惨めったらしい表情は、極一部の、常人には理解し難いが―――加虐嗜好を持つならば歓喜する事だろう。 それはともかく、ゆっくりゃにとってそのような命乞いなど何の意味も持たない。 むしろ、ゆっくり種の中でも凶暴な部類に入るゆっくりゃからしてみれば、丁度いい前菜のようなものだろう。 あっという間に紅白のゆっくりを組み敷くと、物凄い勢いでかぶりついた。 「い゛だい゛よ゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!ゆ゛っぐりざぜでえ゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!」 「れ゛い゛む゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!」 「うー♪」 喰われる紅白饅頭と、傍観するしかない黒大福の奏でるデュエットを聞きながら、荒々しく食事をするゆっくりゃ。 始めは大声で騒ぎ立てた紅白饅頭も、やがて声を出すことの無い醜いオブジェへと変貌し、そしてZUN帽以外全てがゆっくりゃの中に納まった。 「うー♪うー♪」 「う゛わ゛あ゛ぁ゛ぁぁ゛ぁぁ゛!!!」 ゆっくりゃが一息ついた隙に、黒大福がその場から猛然と逃げ出した。 どうやらずっと逃げる隙を窺っていたらしい。どんなに仲の良い相手でも、意外とあっさり見捨てるのがこの種の特徴なのだ。 ……尤も、食事中に隙を見出せなかった時点で黒大福の運命も決まったようなものであるが。 「ぎゃおー!またないと、たべちゃうぞー!!」 「だずげでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!! 運動能力でも他のゆっくりを大きく上回るゆっくりゃから逃げられる筈も無く、あっさり捕まり、捕食される黒大福。 「うー!うっうー♪うあうあ♪」 二匹ものゆっくりを喰い、上機嫌のゆっくりゃ。 どう考えてもゆっくりゃよりあの二匹の方が体積が大きいが、そのような事は気にしてはいけない。それが世界の選択なのである。 食後の散歩、というより散飛を愉しんでいたゆっくりゃ。少々休憩しようと地上に降りようとした時、新たな獲物を発見した。 今日はツイている。また二匹組みだ。 そのような事を言いたげな笑顔で、再びあの言葉を口にする。 「ぎゃおー!たーべちゃうぞー!!」 だが、今度の二匹は先程の二匹とは違う反応を見せた。 「たべちゃうぞ、だってさ」 「おお、こわいこわい」 これらは、外見は先程のゆっくりれいむ、ゆっくりまりさとほぼ同じであるが、性格が大きく違う種類だった。 浮かべる笑顔も通常のゆっくりとは違い、どこか皮肉っぽい半笑いである。 「う、うー?」 自分の雄叫びで動じない相手に動揺するゆっくりゃ。気を取り直してもう一度 「ぎゃおー!たーべーちゃーうーぞー!!」 「たべちゃうぞ、だってさ」 「おお、こわいこわい」 平然としている二匹。ゆっくりゃはどうしていいのか分からず泣きそうになるが、考えてみれば所詮相手はゆっくりれいむ達。 何も恐れる必要など無いのだ。怖がらせるのはやめにして、さっさと喰う事にしたゆっくりゃ。だが 「ぎゃおおー!がぶり!!」 「かみつかれたみたいだよ」 「おお、いたいいたい」 実際に噛まれても堪えた様子も無いゆまりさ。それどころか、 「おんみょうだんを、くらえ」 「おお、まぶしいまぶしい」 何とゆれいむの方が、ゆまりさにも構わずゆっくりゃに体当たりを仕掛けた。 「うー!うぅー!」 「うぅー!だってさ」 「おお、なみだめなみだめ」 ありえない事の連続に、最早ゆっくりゃは完全にパニック状態に陥っていた。噛付いたままでべそをかいている。 もういい、こんな奴らとは関わりたくないお家帰る、とでも思ったのか、牙を引き抜こうとするゆっくりゃ。だが。 「うー!うあー!」 「うあー!だってさ」 「おお、ぬけないぬけない」 蚊に食われた際、その部位に思いっきり力を入れたら管が抜けなくなり、蚊が破裂するという。 まさにそれと同じ事が起きていた。 「ううー!おうひはえふー!!」 飛び上がって逃げようとするゆっくりゃ。だが、飛び上がる前に翼にゆれいむが食い千切った。 「う゛ぅ゛ぅ゛ー!!!」 「う゛ぅ゛ぅ゛ー!!!だってさ」 「おお、とべないとべない」 牙を引き抜く事も出来ず、空を飛ぶことも出来ない。 もはやこのゆっくりゃに出来る事といったら、嬲り殺されるまでの数時間、ただ唸り、涙を流す事だけだった。 おわり
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1548.html
あるゆっくり家族の話 ------------------- 「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 虐待お兄さんが山道を歩いているといきなりゆっくり達に声をかけられた。 声がしたほうを振り向くとそこには親れいむと親まりさ、それに子れいむと子まりさが数匹の家族。 野生の動物もそうだが、野生のゆっくりも基本的に警戒心が強い。 にも拘らず、声をかけてくるとは今までゆっくりを虐待していたことに対して復讐しにでも来たのかね。 それにしてはこちらを憎む様子もなく、純真な瞳でこちらに笑顔を向けてくるが。 う~ん、何が目的か分からん。飼いゆっくりだったのかな。 「いっしょにゆっくりしようね!」 「おにいさん、ゆっくりできてる?」 親まりさと子れいむは私の脚に頬を擦り付け 親れいむや子まりさはぴょんぴょん跳ねながらゆっくりしようと言っている。 愛でお兄さんならば喜ぶ状況かもしれんが、私にはゆっくりを愛でる趣味はない。 それに頬を擦り付けるのはゆっくりの親愛の表現だが、私にしてみたらうざいことこの上ない。 足を振り上げ、一番近くにいた親まりさをボールのように蹴りあげる。 「ゆぎぃ!」 バスケットボールほどの親まりさは吹き飛び、綺麗な放射線を描きながら木にぶつかった。 口からは少量の餡子を吐き出しているが命に別状はなさそうだ。 「ゆゆ! まりさ、だいじょうぶ?」 「れいむ、まりさはへいきだよ!」 「おにいさん、ゆっくりしていってね!」 「まりさたちといっしょにゆっくりあそぼうね!」 親まりさに攻撃したにも関わらず、ゆっくり達の様子は攻撃前と変わらない。 なんだこいつら。 まだ足に頬を擦り付けていた子れいむを掴み目の前に持ってくる。 「ゆゆっ!!おそらをとんでるみたい!!」 「れいむたのしそう! まりさにもゆっくりおねがい!」 「おにーさんもれいむもゆっくりしているね!」 「こどもたちとあそんでくれて、おにいさんはゆっくりできるひとだね!」 さっき攻撃したことも忘れ、ゆっくり達は喜んでいる。 これからどうなるかも知らずに哀れなものだ。 口のところまで持ってくると、思い切り子れいむの頬の齧り付いた。 「ゆ!」 まだ小さかったこともあり、一口で子れいむの体の半分近くがなくなった。 「程よく甘さが抑えられてて美味いな」 加工場で出荷されたゆっくりほど甘くはないが 山道を歩いて疲れていた身には、これくらいが丁度良かった。 もう死ぬのも時間の問題だろうと思っていると 「ゅ・・・おにいさん・・・ゆっくり・・・たべ・・・て・・ね」 食べて欲しいなら食べてやろうじゃないかと最後まで食べ尽くす。 ふと周りのゆっくり達が静かなので見てみると、子れいむの家族達は涙を流していた。 目の前で子供を食べられたら当然の反応かと思っていると 「おねーしゃんはすごいゆっくりだね!」 「ゆぅぅぅ! れいむはりっぱなゆっくりだったよおぉぉ!」 「ゆぅ! さすががまりさのこどもだね!」 何この反応? 通常のゆっくりならば子供が死んだことに嘆き悲しみ 私に対して無謀にも攻撃をしてくるとところだが このゆっくり家族は食べられたゆっくりを褒め称えていた。 あれか、外見はれいむとまりさだが中身はゆっくりてんこなのか? 確かめるために、今度は子まりさを持ち上げる。 「おにーさん、こんどはまりさとゆっくりあそんでくれるの?」 「そうだな、一緒に遊んでやろう」 と言うなり、頬をゆっくり引っ張り始める。 「いたいよ! ゆっくりやめてね!!」 「おにいさん、れいむのこどもにいたいことはやめてね!」 虐待されることを喜ぶゆっくりてんこと違って どうやら痛いことはさすがダメらしい。当然と言えば当然だが。 それにやめるつもりはない。頬を引っ張られ痛がる子まりさを見ていると嗜虐心が刺激される。 「ふふふ、まりさはどこまで伸びるのかな」 「おにーさん・・・ゆっく・・・り・・・」 ブチッという音と共に子まりさは顔を真っ二つにされ死んだ。 「れいむのじまんのこどもだよ!」 「まりさのこどもはゆっくりがんばったよ!」 ああ、なるほど。 どうやらゆっくりを殺すと喜ぶようだ。 私には理解できない思考回路だが、餡子脳だし理解できなくて当然か。 それに、ゆっくりが死ぬと喜ぶならもっと喜ばせてやろうじゃないか。 手近にいた子まりさを思い切り踏み潰す。 「ゆ!」 「まりざのごどもがぁぁぁぁ!」 「おにいいざあぁぁあん! やめでえぇぇぇ!」 あれ、さっきと反応違くね? 真っ二つにするのはありだけど、踏み潰すのはなしですか? 今度は子れいむを掴み、さっきの子まりさ同様に頬を引っ張り真っ二つにする。 「いだい! いだいよおぉぉ! だずげでええぇぇ!」 「ゆあぁぁぁぁぁぁぁ!」 「ゆっぐぢじようよおぉぉぉぉ!」 同じことを繰り返しただけなのにさっきは喜び子供を褒め称え 今回は子供が死んだことを嘆き悲しんでいる。 何故? ふと思考のループに嵌っているとまだ何もされていない子れいむ達が近づいてきた。 家族が殺され続けているのに、近づくなんてどれだけ餡子脳なんだ。 「おにいさんにゆっくりしてもらうためにおうたをうたうよ!」 「は?」 子れいむ達はいきなり意味不明なことを言い出した。 というか、今までの流れでなんで歌が出てくるんだ。 歌は世界を救うってやつですか。 「ゆ~ゆ~ゆ~♪」 リズムを取っているつもりなのか体を左右に震わせて子れいむ達は歌い始めた。 が、ゆっくり達にしてみればすごく上手なつもりなのかもしれんが 人間からしてみれば、音程もリズムもばらばらの不協和音で聞くに堪えない。 「下手だな」 と言って耳障りな歌らしきものを歌っていた子れいむ3匹を踏み潰す。 「ごめ・・・んな・・・い」 「ゆぅ~、まりざだぢがだめなおやでごめんねえぇぇぇ! 」 「れいぶがもっどうまぐおうだをおじえであげられなぐで、ごめんねえぇぇぇ!」 親ゆっくり達が踏み潰された子れいむに謝っていた。 いったい何がしたいんだ。 統一性がなさすぎるぞ。 なんか考えるのもアホらしく思えてきたので、もう普通に虐待することにした。 「おにいさん、ゆっくりしていってね!」 「ゆっくり楽しませてもらおうか」 さすがにここは山道で日頃から虐待の道具を持ち歩く趣味もないので 武器は徒手空拳しかないが、ゆっくりを虐待するだけならばこれで十分だ。 親れいむを拳で思い切り殴りつける。 「ゆぐぅ!」 「おにーさん、ゆっくりしようね!」 親れいむ顔から地面にぶつかり、顔面に擦り傷を沢山できてしまった。 親まりさのほうは、ぴょんぴょん跳ねながらゆっくりしようと言っているだけで何故か私の攻撃を止める気配がない。 止めないこといぶかしみながらも今度は親れいむの側頭部をつま先で蹴り上げる。 「ゆあぁぁぁ!」 つま先で蹴り上げたせいか右の側頭部から後頭部にかけて皮と餡子が吹き飛んだ。 髪も髪飾りも滅茶苦茶になり、餡子も大量に失われもう命はないだろう。 親れいむは瀕死の体を頑張って動かしてこちらを見ると微笑んだ。 「おにいさん・・・とても・・・たのし・・・そうだ・・・ね! れいむはね・・・おにい・・・さんがゆっくり・・・できて・・・うれしいよ」 「なっ!」 まさかゆっくりがこんなことを言うとは思いもしなかった。 「さすがまりさのれいむだよ! すっごくゆっくりしているよ!」 れいむが命を賭けて行った行為にまりさは涙を流しながら褒め称えた。 「おにいさん・・・ゆっくりしていってね!」 そう言い残すと親れいむは餡子を吐き出し事切れた。 ゆっくり達の行為の意味に ようやく虐待お兄さんは気付いた。 このゆっくり一家は普通のゆっくりと違い ゆっくりさせたい相手がゆっくりしていると喜び ゆっくりできていないと悲しんでいたのだ。 そして、そこに自分達の命の損得勘定は一切ないようだ。 ただゆっくりさせたい相手にゆっくりしてもらうために命を賭けていたのだ。 虐待お兄さんは困った。このゆっくり一家はゆっくりてんこ並に厄介だ。 何故ならこちらが行為の如何に関わらず楽しんでいると喜ぶのだ。 つまり喜ばせないためには虐待しても楽しんではいけない。 厄介すぎる。というか、虐待の意味がない。 虐待お兄さんはもう親まりさしか生き残っていないが見逃すことにした。 「あー、まりさ、お兄さんはとてもゆっくり出来たよ」 「ゆっくりできたんだね! まりさはうれしいよ!」 「ああ、だから他の人もゆっくりさせてあげてね」 「ゆっくりりかいしたよ! おにーさん、ばいばい!」 なんかすごく疲れた。 変わった性格のゆっくりまりさと別れて 帰途についているとまたゆっくり一家と遭遇した。 警戒している様子を見せたので問答無用で親まりさを踏み潰した。 「ゆぎゃ!」 「もうやだ! おうちかえる!」 「どうじでごんなごどずるのおおおおぉぉぉ!」 「あははは、やっぱゆっくりはこうでなくちゃ。」 安心した顔で帰途へと着いた。 終わり 相手をゆっくりさせることに命をかけるゆっくり達と虐待お兄さんの話でした。 fuku2479.txtのSSとネタとオチが被っております。 ゆっくり書いた結果がこれだよおおおおお。 どうでもいいことですが名前の言い方は れいむ種はおにいさんと呼び まりさ種はおにーさんと呼ぶような気がする。 はい、どうでもいいことですね。 by 睡眠不足な人 今までに書いた作品 ドスまりさのお願い(前) ドスまりさのお願い(後) 楽園 楽園2-裏側 あるゆっくり家族の話 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/82.html
●至高のゆっくり料理 まず、二匹のゆっくりを捕まえ、 数日間餌を与えずに放置します。 最初は、 「お腹空いたよ!ここから出してよね!」 「何か食べさせてよね!」 などと元気に騒ぎたてますが、無視しましょう。 「ゆっ…ゆぅ…」 と身を寄せ合って小さく呻くだけになるのが、 大体の目安です。 この頃には、ゆっくりのサイズも最初の三分の二ほどに 縮まっているはずです。 砂糖漬けの果物、あるいは無塩バター、 好みによってはチョコレートなどを用意します。 どれもゆっくりの大好物であり、 ご馳走を手にしてやってきた貴方に、 ゆっくり達は大喜びするはずです。 「ゆっくりしていってね!」 「早く!早く食べさせてね!」 ですが、この「ご馳走」は ゆっくりのうち、どちらか片方(より小さい方が好ましいです) にしか食べさせてはなりません。 「!!は、放してよね!ゆっくり食べさせてよね!」 「一緒にゆっくり食べたいよ!」 長い監禁生活に耐えて来たゆっくり達の間には 一種の連帯感が生まれており、二匹とも大騒ぎするでしょうが、 この「ご馳走」はあくまで片方にしか食べさせることはできない、 もう一匹には、あとで別のもっとたくさんの餌をあげる、と 説明してあげてください。 知性の低いゆっくり達はなかなか納得しないでしょうが、 結局は餓えが仲間を裏切らせることになります。 「あとで、ゆっくり食べてね!……うまうま!めっちゃうめぇ!」 「ゆっ!ゆぅぅうううううっ!!」 おあずけを食らわされたほうのゆっくりが泣き叫ぶ中、 もう一匹のゆっくりは浅ましくご馳走にかぶりつきます。 明らかに一匹では食べきれないほどの食べ物を、 がつがつと貪りくらうのです。 「うまぁ…ゆっくり食べたよ!」 「ゆ…ゆぅ…」 満腹して幸せそうな顔で叫ぶゆっくり。空ろな目をして呟く仲間のことなど、 忘れてしまったかのようです。 さて、これで下ごしらえは完了です。 次に皮剥き器を用意します。 「ゆ?ゆ、ゆっくりしていってね!」 満腹した方のゆっくりを捕らえ(急激な飽食で、身動きも取れなくなっており、簡単です)、 「ゆ”!ゆ”!」 絶叫を無視して、満腹ゆっくりを「剥き」ます。 「ゆ”ぅぅ!ゆ”っぐりや”べてよぉぉ!」 中を破いてしまわず、表層の皮だけを削りとれるよう、細心の注意を払って 作業しましょう。帽子やリボンは勿論、髪や目などもとってしまって構いません。 歯は抜き取り、口と舌だけは残しておくのが本場のやり方です。 腕に覚えがある調理者は挑戦してみましょう。 平行して、後頭部に穴をあけ、餡子を吸出します。 取りすぎると死んでしまいますし、穴が深すぎると、さっき食べさせた 「下ごしらえ」と餡が混ざってしまうので、注意しましょう。 「……!!!」 餓えた方のゆっくりには、仲間を助けるだけの力は残っていないので、 放置しておいて大丈夫です。たとえ余力があったとしても、 さっき自分を裏切った「仲間」を助けようとするかは疑問ですが…。 恐怖に震えるゆっくりに、 「これが済んだらご飯にしようね」とやさしく告げ、 満腹して膨らんでいたはずの仲間が、 また小さくなっていくのをたっぷりと見せてあげましょう。 震えているもう片方のゆっくりと見比べ、 「ちょうど良い」大きさまで処理できたら、 その、もはや「ゆ”っ!ゆ”ぅ…ぐりぃ…」 と意味の分からないことを呟いているだけの塊を横に置いてください。 もはや薄皮一枚しか残っていない状態だと思うので、 破かないように、丁寧に扱ってください。 「さぁ、今度は君が食べる番だ。たーんとお食べ……」 未処理のゆっくりに、「それ」を示してあげてください。 「?…!!!やぁっ、ゆっくりできないよぉ!」 理解しても、すぐには食べようとしないでしょう。 自然界ではゆっくりの「共食い」は特定種間以外では見られないものです。 それに、こちらが餓えに餓えた状態であり、そしてあちらがいくら「小さくなった」とはいえ、 どちらもサイズ的には大差ありません。 このままの状態では、「ゆっくり食べていってね」とはいかないでしょう。 そこで、こちらのゆっくりも処理することになります。 包丁でもって、ゆっくりの口を大きく切裂き、広げてあげてください。 「ゅゅゅ!ゆ”ぅぅぁぁぁあああああっ!」 邪魔なので歯は抜いてしまってください。 更に、開いた口から手を入れ、ゆっくりの消化器官を最大まで押し広げてやってください。 長い断食の間にかなり萎縮しているはずなので、思い切り力を込めなければなりません。 やはり後頭部に小穴を空けておき、餡子を少し出しながらだと上手くいくでしょう。 「ゆ”…ゆ”…ゆ”…」 そうして、「ご馳走」が入るだけのスペースが空いたら、 待ちに待ったお食事のお時間です。 果物と餡がたっぷり詰まった小饅頭―すなわち第一のゆっくりを、第二のゆっくりの中に 詰め込んであげてください。 「ごぉお!ゆごごぉりぃぃいい!」 久しぶりの食事に、感動に打ち震えている外側ゆっくりのお口を縫い合わせて、料理は完了。 これこそが至高のゆっくり料理、「ゆっくりのゆっくり詰めびっくりゆっくり饅頭風」! 食べる直前に、管を挿し、最上質のこしあんを入れると、 一時的にゆっくりが元気を取り戻し、いきの良い食感が味わえます。 「「ゆ”ぅっぐり…じでいってねぇ…!」」 内と外、二匹のゆっくりの奏でる二重奏を楽しみながら、 ゆっくり食べていってね!